第28話 再生
僕はあれから自宅へ戻り、毎日必ず1ページ分の塗り絵をした。
そこにはもう、何も教示されることはなかった。
毎朝7時に起きて服に着替え、簡単な朝食をとる。
晴れている日は窓を開けて空気を入れ換える。
3日に一度洗濯をし、掃除もそれなりにするようになった。
家の事が一段落つくと新聞に目を通す。
以前にはなかった習慣だ。
昼御飯は、ほとんど自宅で簡単に済ませるのだが週に2回程、散歩がてらにカフェに出掛けた。
商店街のお惣菜屋さんでコロッケを買ってくることもある。
昼からは本を借りるため町の図書館に出掛ける。
週に2~3冊のペースで読書をするようになった。
夕飯は少し手の込んだ食事を作って、音楽を聴きながら食べる。
そしてまた、少しだけ読書をしてから風呂でゆっくりと湯船に浸かる。
就寝はだいたい21時から22時だ。
もう真夜中に目が覚めて眠れなくなることもない。
僕は自分のペースで少しずつ、着実に前へ進んでいる。
塗り絵も明日で終わりだ。
きっと、もう不思議な現象は起こらないだろう。
しかしシゲルにとって、その塗り絵はお守りのような存在になっていた。
シゲルはベッドに入り、眠りについた。
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