くっつけ!令和ちゃん!
河過沙和
遊んで!令和ちゃん!
俺は美前 平成、高校二年生。よく下の名前をへいせいと呼ばれるがひらなりと読む、名前の通り平成生まれの平成っ子だ。そんな僕には年下の幼馴染がいる。
「遅い!どれだけ待たせるの!」
「ごめん、ちょっと手が離せなくてね。ようこそ令和ちゃん」
新田 令和。彼女が年下の幼馴染で小学生の女の子だ。
「で、今日はどうしたの?突然遊びたいなんて」
「別に。暇だったから、遊んであげようと思っただけ」
「そう、いいんだけどさ。女の子なんだからもっと男の家に行くとかは注意しなきゃ駄目だよ」
「平成はなにもしないでしょ」
どうやったら赤ん坊の頃から見てきた子に何かしよういう気になるんだろうか?そもそも魅力を感じない。
「いて」
「今なにか失礼なこと考えたでしょ」
「気のせいじゃないかな」
勘だけは妙に鋭い。
「それで今日は何して遊ぼうか」
「スーフミがしたいわ」
「なにがいい?」
「カートしたい!と思ったけど私がしたいわけじゃ」
「はいはい」
上面にカセットを差し込んで電源を点ける。しばらく画面が点滅したあとゲーム画面が表示される。メニューからモードを選択する。
「はい、コントローラ。赤帽子使おうかな」
「私は姫で」
キャラを選択しロードを待ったあとレースが始まる。最初のダッシュでミスして出遅れる。
「あ、抜かした」
「先いくよ」
カーブで曲がり損ねて復帰にてこずる。
「なんで抜かすの!」
「ミスしたからでしょ」
「絶対ずるしてる!」
自分が負け始めるとずるいと駄々をこね始める。ちょっと面倒くさい。
「してないよ」
「いいもん、私が勝つから」
けどすぐ立ち直って真剣に体を左右に揺らしながらプレイし始める。かわいい。
「行け!甲羅」
「いてっ」
「やった!」
アイテムを当てて小躍りして喜ぶ。
「それ私の」
「先に取ったから僕のだ」
「私の!」
アイテムを先に取られて少し涙目になる。
「よし!勝った!」
「…もう一回」
「え?」
「…もう一回するの!」
自分が勝つまで勝負を継続させる。
「はぁ楽しかったね」
「もうしばらくこのゲームはしたくないなぁ…」
「いいよ、今度は別のやつにしよ?」
満足した顔で語りかけてくる。
「あ、もうこんな時間。帰らなきゃ、またくるね」
「うん、またね」
いろいろあったけど最後には笑顔で帰っていく彼女。今日も楽しかった。
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