逆立ち

 視野を上と下逆転したら、地面が上に、空が下になる。私はそのまま一思いに全体重かかっている筈の両腕から力を抜いてみた。すると、私を取り巻いていた重力は逆転し、私は空へと真っ逆さまに落ちてしまった。

 私の頭上には、落ちていく私に何かを告げる友達や、叫び声をあげる先生などが蔓延っている。私はそれを見て、心底気持ちいいと思ってしまった。だって、私より下に人間なんて誰一人存在せしえないのだから。

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