第390話 見知った場所?

この子の名前、聞いた事あるはずだけど

なんか思い出せないな……


俺「それじゃ、行こうか」


乱子「うん!」


小学生女児、佐々木乱子ちゃんと一緒に学校のへ向かう


童謡を口ずさみながら歩く乱子ちゃんが転んだりしないように見守る


楽しそうにしてるけど、ほんとに大丈夫かなぁ

そわそわハラハラしちゃうな






勝手に心配し過ぎただけで何も無く、学校が見える所まで来た


乱子「ほら!ついたよ!!」

タッタッタッタッと走り出す乱子ちゃん

慌てて追いかけると


乱子「あっ!」

ほら、言わんこっちゃない!!

口にしてはないけどさ!


俺「危ない!」

胴体を抱え上げて地面への衝突を回避する!


まぁ、俺の方がバランス崩して抱きしめたまま尻餅ついたけど……


俺「いったぁ……乱子ちゃん大丈夫?」

ケツ打ったぁ


乱子「え?あれ?う、うん。だいじょうぶ」

よかったぁ

無駄じゃなかったな


俺「今度は転ばないようにね?」

脇を支えて立たせてあげる


乱子「はい。ごめんなさい」


俺「よしよし、良い子だ」


さて、もう校門も見えるし一緒に行く必要はないんだけど


乱子ちゃんどうしようかな?

1人で帰ってもらうか?



でも、もしここで場所とか分からなかったら……最悪またボッチで迷子か

それはそれで、ヤバイな


もう少し一緒にいてもらおうかな、うん



校門の所へ行くと、そこは見覚えがある場所だった……

おいおい、どういう事だ?


これ、俺が通ってる学校だぞ?


おかしいだろ……乱子ちゃんはどう見ても小学生だ

なのに、案内したのは高校?




乱子「はいんないの?」

勝手に入っていいものなのか……?

いやでも……確かに、入ってみないと何も分からないしな


俺「それじゃ入ってみようか」

都合よく開いていた校門を抜けて学校の敷地に入る

うん、見覚えのある学校だ


俺の教室はあの辺りで……うん?


俺「乱子ちゃん?」

なんで校門の所で止まってるんだ?


乱子「ばいばい!」

それだけ言って乱子ちゃんは来た道を引き返して行った

え?帰っちゃうの⁉


俺「あ、……行っちゃった」

声かける間もなく行ってしまった


ここで何の情報も得られなければ、また1から出直しか


今度は誰かに合えるかなぁ……


堂々と昇降口から入ってみるけど、咎められる事もない


まさか……ここも無人!?

だとしたら、かなりヤバイな……



一先ず、自分の教室へ行ってみるか



廊下を進み階段を上がって、また廊下を進む


何ヶ月も繰り返した行動は体に染みついていて、何も考える事もなく教室に到着する


通り過ぎた教室には人の気配はなかった

だから、期待はしてなかったけど……本当に無人だと、心が折れそうになるな



俺「やっぱり、誰もいないか」

運動系の部活の音も先生の声も、校内放送も一切ない

完全に無人の学校か……?


とりあえず、こっちの方には人はいないだろうから

人の居そうな場所を探すか


職員室……は最後にして、まずは旧校舎へ行ってみよう

あっちは静かな部活が多いし、無音でも人はいるかもしれないしな



気を取り直して、旧校舎へ向かう


途中何度か窓から外を眺めたけど、動くモノは一切見つからなかった……



ほんと、ここドコなんだよ⁉

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