第346話 試合の結果は

窓辺で30分くらい観戦していると、突然笛の音が鳴り一時中断した


俺「何があったんだ?」

ルール違反でもあったのかな?


部員「さぁ?」


2人とも分からないけど、とりあえず成り行きを静観する事にした



グラウンドでは、試合に出てないサッカー部員も含めて1カ所に集まってる


部員「何か説明してるっぽいね」

うん

笛を鳴らした部員が何か、指導してるように見えるな

てことはルール違反とかじゃないのか


俺「そうだね。……あれ?」

説明が終わって、試合が再開するかと思ったら


部員「終わっちゃったね」

礼をして、試合が終わってしまった……


俺「えっと……同点?」

点数は同じだったから、引き分けって事だよな


部員「そうだね。それにしても、あの2人凄かったね~」

南城さんが凄いのは、知ってはいたけど

まさか、東雲さんがあそこまで出来るとは思ってなかったなぁ


俺「うん」

今度、南城さんにシュートのコツとか聞いてみようかな……

体育の授業のサッカーで全然シュート入んないんだよね


部員「あ~、面白かった!案外スポーツ観戦って面白いかも」

確かに、プロの試合だともっと白熱した感じだろうし


俺「さて、試合も終わった事だし俺は続き読もうかな」

4巻目~、4巻目~っと!


部員「それは、あんまりおススメしないかな」

ん?

おススメしない?


俺「なんで?」

早く続き読みたいんだけど


部員「多分だけど…それ読み終わる前に、下校時間になっちゃうよ?」

え?

そんなに時間経ってた⁉


スマホで時間を確認すると、確かに読み切るには時間が足りなそうだった

俺「う~ん……気になるけど、ここは我慢かなぁ」


中途半端で読むの止めるよりは、我慢した方が精神衛生上いいかな


部員「どうする?もう帰っちゃう?」

どうしようかなぁ……


俺「いや、まだ帰れないかな」

下校時刻までは、ここで待機してたいし

今外へ出るのは、東雲さんに見つかるリスクが高すぎる


部員「そう?ならさ、色々質問していい?」

質問?


俺「別にいいけど、そんなに面白い事なんて無いよ?」

至って平凡な名前無しmobだからね


部員「別に面白さは求めてないよ?」

なら、安心かな


俺「それで、何が知りたいの?」

あんまりプライベートな事はノーコメントにさせてもらうけど


部員「う~ん、じゃあまずは……今、好きな子いる?」

いきなり恋バナ的な話しを振ってきた⁉


俺「いや、いない……かな」

まだ、1人に決められてないんだけど


部員「そうなの⁉それじゃ、気になってる子とかは?」

あ~、気にはなってる……よな?


俺「いる、よ……」

何か声に出すと、恥ずかしいな……


部員「へぇ、どんな子?」

どんなって……


俺「それは秘密だよ」

言えないだろ……複数の女子が気になってる、なんて


部員「秘密かぁ。あとは……普段どんな本読んでるの?」

いきなり本の話題に変わったな


俺「漫画とか、ラノベだけど」

色々読んでるから、全部のタイトルは言えないなぁ


部員「へぇ、今度さ。おススメのラノベ貸してほしいな、ダメかな?」

いや、興味があるなら大歓迎だけど


俺「趣味に合うかなぁ」

本棚にあるラノベだと……最強主人公が無双するヤツばっかなんだよなぁ

漫画は……男子向けのばっかだし


部員「読んでみないと分からないよ!だから、次来る時にでも貸してくれないかな?」

まぁ、そこまで言うなら


俺「うん、いいよ。2、3種類持ってくるよ」

その中で趣味に合うやつがあるといいんだけど……


部員「それで、次はいつ来てくれる?」

次、か……

明日は学校休みだし、来週からは……多分文化祭の準備で忙しくなるから


俺「確約はできないけど、来週中には持ってくるよ」

何とか時間作って、本だけでも置きにこよう


部員「そっか。うん、待ってる!」



その後は、他愛ない世間話だけで質問は全然してこなかった





次来た時は、俺の方からも質問させてもらおうかな

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