第342話 急遽、授業を変更して……
オタトークをしてる内に昼休みは終わった
各自が自分の席へ戻って行き、次の授業の準備をする
えーっと、5時間目は……あ、担任の授業か
さて、教科書とノート……と用意をしていると
担任「あ~、誠に残念なお知らせがある」
そんな事を言いながら教室に入ってきた担任は……
何故か教材は持ってきていなかった?
俺「残念なお知らせ……?」
なんかイヤな予感がする!
担任「これから、私の大切な大切な授業を中止して決めなければならない事がある」
授業を中止?
「何決めるんですかー?」
そうそう、授業を止めてまで何を決めるんだ?
担任「それは……」
それは……?
担任「文化祭の出し物だ。このクラスだけまだ決まっていないと、校長から注意された。よって、誠に遺憾だが今すぐに決めようと思う」
また、校長か……
担任「えー、それじゃ案のあるやつ。いないな。よし、何かテキトーに展示でいいな」
早っ⁉
いや、まだ誰も案出してないよ⁉
「せんせー!それは流石に横暴です!」
「案ならありまーす!」
生徒側から反対の声があがる
担任「はぁ~~~」
そんなイヤそうな溜息吐かなくても……
担任「それじゃ、案のあるやつ手上げろ」
B「はい!はーい!」
え?
お前?
担任「B」
B「はい!メイド喫茶!!定番ですよね!」
クラスの全女子から、軽蔑の視線を浴びるB
何なら俺も、反対だ
メイドさんというのは、そんな簡単にできるモノじゃない!
メイドを舐めた発言は看過できない
担任「さて、誰か案のあるやつはいるかー?」
聞かなかった事にした⁉
B「はい!」
お前、めげないなぁ……
担任「……誰かいないのか?」
Bを指したくないのか、他の生徒の意見を聞こうとする
が、誰も手を上げない……
B「はい!!」
担任「……B、言ってみろ」
渋々、Bを指すと
B「メイドがダメなら執事!執事喫茶!」
お前、もしかしてコスプレしたいの?
担任「はぁ……他に案のあるやつはいないのか?」
どういう訳か誰も積極的に手を上げようとしない
まぁ、早々に決まってしまえば授業を再開するとか言い出しそうだもんな
南城「羊、喫茶?」
堀北「違うわ、執事よ。し・つ・じ」
東雲「ああ、男の使用人の」
南城「うん?」
え?
南城さんだけピンと来てないみたい……?
南城「それって、どんなの?」
堀北「そうね、簡単に言うと……位の高い貴族階級の人の世話をする低い貴族階級の人の仕事よ」
簡単……?
南城「う~ん……?」
まぁ、分からないか
B「な、南城さん!こういうのです!」
どこから出したのか、手には有名な執事漫画があった
そんなの学校に持ってきてると没収されるぞ……
Bから南城さんへコミックが渡される
南城「えっと……この人?」
正確に言うとそのキャラは人じゃないんだけどね
堀北「そのようね。どう、分かった?」
絵を見て、肯定する堀北さん
南城「うん!かっこいいね!!」
いや、それはキャラがかっこいいんだよ?
東雲「ウチには執事って爺やしかいないのよね……ちょっと、憧れるわ」
爺やって、流石お嬢様だな……
南城「先生!私、賛成!」
え……?
唐突な南城さんの賛成意見に、先生を含めクラス全体が疑問に思う
担任「南城。他の意見を聞いてからでも遅くはないと先生は思うぞ」
そうだよ
漫画に影響されて執事喫茶とか、きっと失敗するよ
「おい、お前が何か意見出せよ」
「じゃないと決まっちゃうじゃない」
「お前のせいだからな」
と俺に苦情を言ってくるクラスメイト
いやいやいや、俺のせいじゃなくてBのせいだよね⁉
担任「とりあえず、その本は没収な。放課後職員室に取りに来なさい」
Bの執事漫画は担任に回収されていった
担任「あ~……そうだ、A」
ん⁉
俺「は、はい?」
なんで指名⁉
担任「Bと仲良いよな。そんなお前だからこそ、何か他に案はないか?」
他の案……?
俺「えっと……じゃあ、一つだけ」
これは俺が言わなくても、誰かが言うと思ってたんだけどな……
担任「何だ?」
そんな期待を込めないでほしいんだけど⁉
俺「え、演劇とか?」
このクラスには名前持ちが多いし、舞台映えしそうだなぁって思ってたんだよ
担任「演劇、か……まぁ、Bよりは良いな」
比較対象がソレなら、大体の案は良いんじゃないか?
俺「ただ、時間が足りないかなぁって」
題材と配役、衣装に練習……どう考えても時間が足りない
担任「よし、他に代案がないならこの2つで投票にする。いいな?」
生徒に問いかけると、反対する声はない
前からメモ用紙を配り
担任「執事喫茶と演劇、どっちがいいか紙に書いて持ってこい。」
紙が回ってきて、俺は迷わず……“演劇”と記入した
全員が書き終わると、各列最後尾の生徒が回収し担任の待つ教卓へ持っていった
そのクラス全員分のメモ用紙を持って
担任「今日の授業はここまで、あと…5分ほどだが、騒がず自由にしていいからな」
それだけ言って、担任は教室を出て行った
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