第343話 投票結果

6時間目の授業が終わり、担任が帰りの挨拶に現れる


担任「はい、注目!」

入ってきて早々に本題に入るみたいだ


担任「投票の結果、このクラスの出し物は演劇に決まった。早速だが、演目を決めたいと思う」

今から⁉


「せんせー!部活に遅れます!」

「そんなの今すぐ決められません!」

主に運動系の部活に所属してる生徒から不満が出る


担任「そう言うと思って、提案だ。演目は後日決めよう、スムーズに決められるように各自必ず1つ以上は決めておくように。次のクラス会議で題目と配役なんかも全て決めるぞ」

そんなまとめて決まるかなぁ……


「イェーイ!せんせー分かってるー!」

「それじゃ部活行ってきまーす!」

「センセ、またねー」

部活動に熱心なクラスメイト達は、カバンを持って部活へ向かって行った


担任「それじゃ、私はこれから職員会議に行ってくる……」

とぼとぼと元気無く歩いて出て行く担任を見送り


俺「さて、俺も行くか」

旧校舎3階最奥にある部室へ向かう


東雲さんは、まだ南城さん達と話してるな

絡まれる前にそそくさと逃げるかな











教室を気にしながら廊下へ出ると、トンっと人にぶつかってしまった

俺「あ、すいません」


ぶつかった相手は……生徒じゃ、ない⁉

え?

この人、誰⁉


「ああ、大丈夫だよ。ただちゃんと前を見て歩こうな」


俺「はい。すいません」

見た事ない人だ……俺の知らない先生か?


「以後気を付けるように。いいね、Aくん?」

厳しい先生じゃなさそうだ……ん?


俺「なんで俺のこと……」

初対面だよね?

正確に名前無しを見分けるなんて、どうやって?


「勿論、君は有名だからね」

マジか……


「それはそうと、のんびり話していていいのかい?部活に遅れてしまうんじゃないか?」

俺が部活に所属してる事も知ってるんだな……


俺「大丈夫です。時間とか厳しくないので。それはそうと先生は、何の教科を」

「ああ、いかんいかん。これから職員会議だったんだ。それじゃ私はこれにて失礼するよ」

職員室の方へ歩いて向かう謎の人物……何の教科の先生だったんだ?

職員会議に出るから、やっぱり先生だよな

一瞬、用務員さんかと思ったけど違うみたいだし


俺「なんだったんだ……?」


変な先生に絡まれたけど、気を取り直して部室へ向かう

あの先生、また会うことあるのかなぁ









一応、先生に注意されたし人にぶつからないように気を付けて進み

やっと、部室の前へ到着した



コンコンと念の為ノックをする

「どーぞー」


中から入室の許可が出たから、古いドアを開け部室へ入る


俺「やあ」

やっぱり先に居た自称幽霊部員の女子


部員「ふふ、遅いよ?」

先に部室に着いた方が勝ちの勝負は、俺の負けだな


俺「しょうがないよ。ちょっとゴタゴタしてたし」

文化祭の出し物決めの話があったりしたし


部員「ふ~ん。あ、そうそう!なんで昼休み来なかったの⁉」

あ……


俺「ごめん!クラスメイトに捕まってさ」

あの場は逃げられそうになかったんだ……


部員「昼休みも君を待ってたのに、全然来ないからヒマだったよ」

それはそれは……


俺「申し訳ない」

ほんと、ごめんなさい


部員「ま、いいけどね。慣れてるし」


俺「それはそうと、続きってまだある?」

あの本、まだ次の巻あるのかな?


部員「ハマったね?」

俺「うん、ハマった」

だって、あんなに面白いミステリー初めて読んだし!


部員「ふふ、それは良かった。もちろん続きはあるよ、後2冊かな」

後……2冊だけ⁉


俺「それだけ、なの?」

マジで?


部員「そうだよ~。このシリーズは、ね」

うん?


俺「と言う事は……?」

もしかして?


部員「そう、同じ作者の別シリーズが2つ。それぞれ4冊はあるよ」

よしっ!!

まだ10冊はあるんだ!


俺「読ませて!」

今すぐ読みたい!


部員「うん。それじゃ用意するから座ってていいよ」


そう言って部員さんは本棚の前に行き、身長より上の段から本を抜き取ろうとする


なんか、危なっかしいなぁ

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