第340話 東雲さんも……⁉
その後も授業は順調に進み
昼休みになった
俺は一人、部室に向かう……筈だった
東雲「ねぇ!今日は一緒に食べましょう!」
うん?
俺「いや、俺弁当だよ?」
東雲さんは食堂利用でしょ?
東雲「知ってる!私もお弁当持ってきたんだよ」
手には小さな巾着が一つがあった
マジかよ……
俺「そ、そうなんだ……」
ま、まぁ…人目のある昼休みには安全、かな?
南城「やっほ」
堀北「お昼にしましょ」
二人もお弁当を持ってやってくる
俺「えっと、みんなで一緒に食べるの?」
本当に?
東雲「そうだよ?もしかして……イヤだった?」
うん!
なんて言えないし
俺「いや、そんな事ないよ……ただ、今日は食堂じゃないんだって思って」
予想が外れたな
東雲「うん。なんか迷惑になっちゃうし……」
迷惑になる?
南城「私もびっくりしたんだけど、教室の比じゃないくらい囲まれちゃったんだよ」
あ~、そういえば……炎上する割に人気あるんだっけか
堀北「ご飯どころじゃなかったわ……」
あ~、堀北さんはそういう状況苦手だもんなぁ
俺「大変だったんだね」
今は俺が大変なんだけど……
東雲「ごめんね、春香」
本気で申し訳なさそうな東雲さん
堀北「いえ、あれは貴方のせいじゃないわ」
そうは言うけど、きっと一端は東雲さんにもあるんじゃないかな
いつもの炎上的な感じで
俺「さて、それじゃご飯にしよっか」
さっさと食べて……いや、そうだった
二人が教室にいる時は、離れると問題があるんだった……
南城「うん!」
机をくっつけて、自分の弁当を出す
箸でおかずから摘まむ……美味い、んだけど
なんだ、この空気は?
何か南城さんが俺の事チラチラ見てるし、東雲さんはずっと俺の事見てるし
そんな二人を静かに見守る堀北さんは、何も言わないし
なんかおかしいな……
クラスメイトは、もう俺が一緒に昼飯食べてるのに慣れたのか
(またかよ)
とか思ってそうだな
そうだよ!まただよ!嬉しくねーよ!
しかし、東雲さんがいるせいだよなぁ
クラスメイト以外の人からの視線が痛いんだよ!
教室には入ってきてないけど、廊下からめっちゃ見てくるし!
そんなの気にしてるの俺だけなんだけど
はぁ……
黙々と食べてるけど、何で誰も喋らないんだ?
ちょっと、気まずいんだけど?
俺が話題提供なんてしたら、絶対に墓穴掘るよなぁ
頼むから、堀北さん辺りに話しを振ってほしいなぁ
チラっと堀北さんを見るけど、期待は薄そう
しょうがないか
俺「そういえば、堀北さん」
堀北「…………え?呼んだかしら?」
まさかの上の空⁉
俺「う、うん。えっと、大丈夫?」
なんか疲れてる?
堀北「ええ、ごめんなさい。大丈夫よ」
大丈夫そうじゃないよね⁉
俺「何かあった?」
てっきり見守ってるだけかと思ったら、そもそも気にかけてすらなかった……
堀北「いえ、ほんと何でもないわ」
微笑みを浮かべてるけど、多分偽物だ
俺「そうは見えないけど……まぁ、話したくないならいいか」
さて、いよいよ話題が何もないぞ
そして、俺の弁当箱はもう空になっていた……
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