第104話 父さん!?

深夜0時

23時30分からやっいたアニメをリアタイ鑑賞し終わり

次のアニメまで30分ほど空き時間ができる

しかし、母さんはまだ呼びに来ない


少し眠くなってきたなぁ

ふわぁ~~……


ベッドに背中を着けて、天井を見上げる


しばらくそうしていると、ドアが開く音がする


母「起きてるわね」


俺「そろそろ寝ようかと思ってた所」


母「くだらない事言ってないで、降りて来なさい。静かにね?」


俺「わかってるよ」

折角妹が寝るまで待ってたんだから、わざわざ騒いで待ってた時間無駄にしたくない


そーっと階段を下りてリビングに行くと……

父さんがいた……⁉


俺「と、父さん……⁉」

何でいるの⁉

出張で全然帰ってこないのに……


父「ああ、来たか」


俺「父さん、仕事は?」

出張ってそんな簡単に帰ってこれるものなの⁉


父「有給取ってきたぞ」

ゆ、有給……取ってまで?


俺「なんで……?」


父「お母さんに呼ばれたからな」

母さん⁉

父さんとの上下関係どうなってるの⁉

完全に母さん上位じゃん⁉

父さんが可哀そうだよ!!


母「そんな言い方したら、息子に誤解されるでしょーが!」

誤解も何も……


母「言っとくけど、あんたに話しをするからできれば帰ってきてって連絡したんだからね?」

できれば……ね


父「ふむ、まぁそういう事だ」

どういう事だよ!


母「立ち話ですまないから、座りなさい」

そんな長い話か……


リビングでいつもの席に座る


母「はぁ……本当はアンタが二十歳になってから言おうと思っていたのよ」

成人してから、ね……


母「その頃にはあの子も学校卒業してる頃だし……ほんと、四季島君は余計な事してくれたわ……」


俺「いい加減話してくれよ」

話が見えないんだよ


母「それは……」

今更言いよどむとか、何の話しなんだよ


父「なら、私から話そう。実はな」


俺「実は……?」


父「……私とお前は、血縁関係にない」

けつえん、かんけい?

って、血縁、関係か⁉


俺「どういう事だよ⁉父さんは父さんだろ⁉」


父「今は、そうだな。お前は私と母さんが出会うよりも前に産まれているんだよ」

は?

意味分かんねーよ?


俺「何言って」


父「私の実の子じゃないんだよ。母さんが私と出会う前に付き合っていた男の子供なんだ」

母さんが昔付き合ってた男の子供……?


母「アンタはね、天堂てんどう 楚良そらっていう名前持ちネームドの子供なのよ。あの人はアンタを産む前に、いなくなっちゃったんだけどね……」

いなくなった……って逃げたのか⁉

最低野郎じゃねーか⁉


母「あの人ね、パイロットだったのよ……仕事で世界を文字通り飛び回っていたわ」

そしてそのまま消えたのか……許せねぇ……

なんて無責任な奴なんだよ……!!


母「その途中で、事故に遭って……うっ……」

事故……まさか……


母「死んじゃったわ……私とアンタを残して……名前持ちのくせにね……あっさり死んじゃった」

死んだ、のか……

名前持ちが事故で?

信じられない……


母「本当に、名前持ちって……よね……」

特別って言葉で片付けていいのか?


母「帰ってきたら、結婚しようって電話で話して……その次の日に事故に遭うだもの……」

それ死亡フラグじゃねーか!!


俺「あのさ……そのテンドウって人が俺の父親なのか?」


母「そうよ」


俺「母さん、どうやって…いや、なんで名前持ちと付き合ってたの?」

母さんだって名前無しmobなんだよな?


母「そう、ね……なんでだったかしらね……」

忘れた?

訳ねーよな……言いたくないのか……


父「だから、お前は私の実の子じゃないんだ……黙っていてすまなかった」

いや、そんな謝られたって……


母「だから、当然と言えば当然なのよ……アンタの中には名前持ちあの人の遺伝子が入ってるのは……」

そういうこと、か


俺「その人は、母さんの事好きだったんだよな?」


母「ええ、私の事を愛してくれてたと思うわ」

そうか……

なら、まぁ……許してやってもいいか


俺「その人の、お墓とかあるの?」


母「あるはずなんだけど、教えてもらえなかったわ……向こうのご家族から嫌われちゃってたからね……」

反対されてた、のか?


俺「なんで」


母「向こうからしたら、私と付き合ったから不幸になったって考えてるんでしょうね……不釣り合いだって、そう思ってたみたいだから」

不釣り合い、か

確かになぁ、名前持ちのパイロットって言えば絶対モテただろうしな

それこそ名前持ちの美女と付き合い放題だったろうな


父「それで、お前はこれからどうするつもりだ?」

これから、どうするつもりって聞かれてもなぁ……


俺「四季島がさ、このままだと俺は名前持ちになるって言ってたんだ」


母「それ、どういう意味なの⁉」

俺もよく分かってないんだけど


俺「なんでも、俺の中にある名前持ちの遺伝子が活性化?してるみたいでさ」

遺伝子の活性化って何だよ、マジで意味分かんないよ?


母「そう……」


俺「ま、俺はなりたくないから全力で抗うけどね」


父「名前持ちに、なりたくないのか」


俺「当たり前だろ、打開策もあるって話だし。俺は俺のままでいたいんだよ」



話はコレで終わりだと思っていたんだが……

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