第105話 父と初対面の二人

俺「それじゃ、俺は寝るから」


母「アンタ、大丈夫?」


俺「大丈夫だよ。父さん、今日は休みなんだろ?ゆっくり休みなよ」


父「あ、ああ。そうだな」


俺「おやすみ~」


リビングを出て部屋へ行く


ベッドに腰かけて、一息吐く

はぁ~……

まさか、母さんが名前持ちと付き合ってたなんてな……

もしかして南城さん達を応援してたのは、それが理由だったのかな

それにしても……まさか本当に俺に名前持ちの血が流れてるなんてな……


とりあえず、明日四季島に話してみるか

今日はもう寝よう

ベッドで横になり目を閉じる


思い浮かぶのは……俺が名前持ちになった後のこと

もし、本当に俺が名前持ちになったら……この家にも居れなくなるのかな

そしたら……寂しいなぁ……












自然に目が覚めた……

目覚ましのアラームが鳴る3分前だった

なんか少し損した気分だ


二度寝なんてする時間もないし、起きるか


制服に着替えて学校へ行く支度をする


あ、そうだ。後で四季島に連絡入れておくか

次は何処で話そうかな……流石に度々部室使わせてもらうのはダメだしな


四季島へ夜聞いた話をするべきか迷う……

きっと話さなくても問題はない

でも、もし打開策が増えるなら話してみる価値はあると思う


ま、その時決めればいいか


リビングへ行くと母さんが朝飯を作ってくれている


俺「母さん、おはよー」


母「おはよう」


俺「朝飯出来てる?」


母「もう少しで出来るわよ」


俺「了解~」

イスに座って朝食が出来るのを待っていると

妹がリビングに下りてきた


俺「おはよー」


妹「お、にー……?何で起きてるの⁉」

失敬な


俺「少し早く目が覚めたんだよ」


妹「徹夜?」

こいつ、話し聞いてたか?


俺「ちげーよ」


妹「もう!おにーはすぐ嘘吐くんだから!」

嘘吐いてねーよ!

てか、お前に対してそんなに嘘吐いたことねーよ!


俺「もう嘘でもなんでいいよ、めんどくせー」

さっさと座れよ


父「おはよう」

妹の背後から父さんが声をかける


妹「うわ⁉え⁉お父さん!?なんでいるの⁉」

なんでいるのは、可哀そうだろ……

まぁ、夜の事が無ければ俺も同じ反応するだろうけどさ


父「昨日の夜中に帰ってきたんだよ。久しぶりに娘の顔を見たくてな」

そういう事になってるのか


俺「妹よ、驚いてないでさっさと座れ。父さんが通れないだろ」


妹「何かおにー、やけに落ち着いてない?お父さんが帰ってきたの知ってたの?」


俺「ん~……昨日の夜トイレに行く時に会ったからな」

あ、コレは嘘ではなくて方便だぞ?


妹「ふ~ん、そうなんだ……あ、そうだ!お父さん、今日はお休みなの?」


父「ああ、休みだよ」


妹「そうなんだ!」

そういえば妹は父さんと話すのは久しぶりだったな


俺「よかったな」


妹「うん!」

今日は妹も休みだし、父さんとゆっくり過ごせそうだな


母さんが朝飯を順次出してくれる


俺「いただきまーす」

妹「いただきます」

父「いただきます……久しぶりに母さんのご飯食べれるなぁ」


感慨深そうだなぁ


朝飯をゆっくりと食べ終えると、いつも通りピンポーンとチャイムが鳴る


俺「はーい」

ドアを開けると南城さんと堀北さんがいつも通り来ていた


俺「おはよ」


南城「お、おはよーございます」

堀北「おはようございます」

な、なんだ?

なんでございますなんて付けた?


父「おはよう。いつも息子と仲良くしてくれてありがとう」

気付かないうちに父さんが俺の背後に立っていた⁉


俺「と、父さん!?何してんの⁉」


父「何って挨拶だよ。当たり前じゃないか」


南城「あ!私、南城千秋です!」

堀北「堀北春香です」


父「うん、千秋さんに春香さんね。これからも息子のことよろしく頼むよ」

父さん!?

余計なこと言わないでよ⁉


南城「はい!」

堀北「はい」


俺「父さん、恥ずかしいから余計なこと言わないでよ」


父「余計なことなんて言ってないと思うが……まぁ、いいか。それじゃ気を付けて行っておいで」


俺「うん。行ってきます」


南城「行ってきます」

堀北「行ってきます」


3人で登校する

あ、そうだ

四季島に一応連絡入れておかないと


南城さん達に気付かれないようにしないとな……



こっそり四季島へメッセージを送る

内容はどうするかな……


おはよう

今南城さん達と一緒に登校してる

話の続きがしたい、今日の放課後時間取れないか?


よし、これでいいな

送信っと


すると、すぐに返事が来た⁉

即レスかよ……



えーっとなになに?


お前……馬鹿だな?

放課後に時間が取れないのはお前の方だろ



って、おい!

馬鹿って酷いだろ⁉


俺「放課後…どうするかな……」


南城「放課後、何かするの?」

え?

もしかして口に出してた?


俺「いや、別に何もないよ?」


堀北「久しぶりに遊びにでも行く?」


俺「遊びに?ドコへ?」

いやいや、四季島と会って話さないといけないんだけど……


南城「そうだ!久しぶりにカラオケ行かない?」

カラオケかぁ……抜け出すの無理そうだし……どう断ろうかなぁ


堀北「いいわね」

2人に反対するのは、大変だな……


これは、学校でどうにかするしかないかなぁ

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