第60話 何でもない日

目が覚めた

平日の始まり、月曜日の朝

俺は今日も制服に着替える

身だしなみを整え、顔を洗いに洗面台へ

鏡を見て、いつも通りの自分が映る

なんら変哲もないmobの姿


寝癖を手櫛で直し、歯を磨く


よし

朝食を食べる為にリビングへ向かう


今日も母さんが朝食を用意してくれている


俺「母さん、おはよ」


母「おはよ、ちゃちゃっと食べちゃってね」


俺「うん」

早速朝食を食べる

今日はトーストとコーヒー、ゆでたまご

ザ・モーニング


完食する少し前に妹が下りてきた

挨拶だけは交わし、カバンを取りに俺は部屋へ戻る


筆記用具やノート、教科書など一式が詰まったカバンは少し重い

それは肩にかけ、もう一度リビングへ


俺「母さん、弁当出来てる?」


母「はい。もう行くの?」


俺「うん。行ってきます」

弁当を受け取りカバンに入れる


母「行ってらっしゃい」


家を出て、学校へ向かう

今日の天気は晴れ、傘はいらない



学校へ到着すると、友達のBとDに挨拶し自分の席にカバンを置く


BとDは所謂ヲタ友だ

早速今季のアニメで何が面白いとか、原作ラノベはあーだこーだと話し合う


しかし

ある人物の登場で一瞬クラスが静まり返る

このクラスの名前持ち3人の内の一人

南城千秋さんだ


後ろにはもう一人名前持ちがいた

堀北春香さん


男子での中で対立する意見

南城さん派か、堀北さん派か

ほぼ半数ずつに分かれるこの派閥に俺としては、無意味な事と思っている

どっちが可愛いだの、美しいだの

そんなのに何の意味がある?

所詮は俺達はmobなんだから

名前持ちの美醜なんて関係無いだろ?



そんな事を言えばBとDは俺の事を変人と罵ってくる

なぜ変人なんて言われるのか分からないが、確かに大多数の意見と合わなければのは間違いない

だから俺は特に言い返すこともなく、聞き流す


俺としては、今季のアニメ原作の一つが気になっていて

それについて三人で考察したいんだが……

少し待つ必要があるみたいだ

BもDも名前持ちの二人に目を奪われていて、コッチの声が聞こえてない

まったく……



昼休み、BとDは売店でパンを買ってくる

俺は一人、BとDを待つ

そんなに時間はかからず戻ってくるBとDと一緒に昼飯を食べ始める


基本はアニメと声優、ラノベやコミックの新刊についての話ばっかりしている

極まれに今日の授業の話も出るが、直ぐにまたアニメやラノベの話に戻る


昼飯を食い終えて、午後の授業の準備をする


授業中は静かに真面目に勉強に励む

しっかり勉強しないと、アニメ観る時間が減るからだ

つつがなく授業は終わり、BとDと帰る


今日はどっか寄って帰ろうと提案したが、残念ながら二人とも予定があるとかで

俺は一人で寄り道するのもつまらないから帰宅する


家に帰ると、家には誰もいなかった

母さんは買い物にでも出てるのか不在

妹はまだ学校から帰ってきていない

父さんは出張でしばらく帰ってきていない


静かなうちに部屋で宿題を終わらせておこう

カバンから、弁当箱を出しキッチンに放置

自室の机に向かい、宿題を片付ける

そんなに大量に出てるわけでもないから一時間もかからずに終わる


一息つくついでに冷蔵庫から飲み物でも取ってこよう

キッチンに向かうと、妹が帰ってきていた


俺「おかえり」


妹「ん」


素っ気ない態度だが、それも仕方ない事だ

実は俺と妹は血が繋がっていない

俺は母さんの連れ子、妹は父さんの連れ子だ

この事実を知ったのは俺が中学に上がる頃だったと思う

二つ年下の妹にとって、とてもショックな出来事だったのか

その日以来、妹は余所余所しくなった

無理に打ち解けようなんてしても逆効果だった

だから、それ以来俺と妹はこんな感じだ


飲み物だけ取って部屋へ引き返す


さて、昨日の深夜アニメでも観るかな








一通りアニメを見終える

次はラノベでも読もうと本棚に向かう

しかし、殆どは二度以上読んだモノばかりだ


特に今読みたいモノが見つからず、ベッドへ横になる


夕飯まで、多少時間があるし……

少し寝よ……

















































目が覚める

なんか変な夢見てた気がする……

でも、内容はあんまり思い出せないな……

ま、思い出したって意味ないか

きっと父さんが変な話聞かせてくれたせいだな


さて、支度しないとな

南城さんと堀北さんがまた家に迎えに来るかもしれないしな


制服に着替え、部屋を出る

廊下で妹と出くわす


俺「おはよ~」


妹「おにー、眠そう…」


俺「そういうお前こそ、眠そうだな」


妹「ちょっと眠れなくて……おにーは?」


俺「変な夢見て疲れてるくらいかな」


妹「変な夢?」


俺「ま、内容は覚えてないんだけどな」


妹「ふ~ん?」


俺「それより朝飯食いにいこう」


妹「そうだね」


二人揃ってリビングへ行く


母さんがいつも通り朝食を用意してくれている


俺「おはよ」

妹「おはよ」


母「はいはい。おはよ」


朝食はトーストにゆで卵、ヨーグルト

喫茶店のモーニングセットみたいな組み合わせだな


朝食を食べ終えた所で、ピンポーンとチャイムが鳴る


来たか


俺はカバンを持って玄関へ向かう


俺「はーい」

今出ますよーっと

ガチャっとドアを開けると

其処には…………

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