Chapter2 Margaret revenge
第58話 新たな旅
昼間のアレゲニー町
ロゼッタとの旅から四年が経ちマーガレットの生活は今まで通りに戻っていた。変わったところと言えばマーガレットが長かった髪をバッサリ切りミラと同じウルフカットにしたぐらいだ。
「ありがとうございやしたー…」
マーガレットはミラの武器屋を引き継ぎ一人で働いていた。
客がいなくなるとカウンターにある売上表を眺める。
一日一人か二人、良くて五人が買いに来る程度な為赤字だった。
「…はぁ…まあ…今までもこれぐらいだったか…」
マーガレットはタバコを手に取り吸い出しミラの写真を眺めながら煙を吐いた。
「ミラってほんとどうやってやりくりしてたんだろうな…それぐらい教えて欲しかったな…」
タバコの灰を灰皿に捨て椅子にもたれかかる。
(そういやぁ…私の車…ロゼッタが死んでから全然手つけてないな…客こねぇだろうし少し触るか)
マーガレットはそう思い立ちタバコを灰皿に捨てると立ち上がり隣の倉庫へ移動し、倉庫の電気をつけた。
車のドアを開けエンジンをかけるがなかなか掛かってくれない。
「うーん…やっぱ二年近く掛けてないとしんどいわな…しかもこれかなり古いやつだし…っても直すってのもなぁ…部品出るかな…」
マーガレットは車から降りボンネットを開けエンジンを見た。
古い車だとしてもマーガレットの初めての車であり、長年壊れては自分で直し部品がないのなら自分で作るを繰り返してきた為、愛着が人一倍あり新しいのに変える気がなかった。
「うーん…もっかいやってみるか…」
マーガレットは再び乗り込みエンジンをかける。すると今度はすんなりかかりエンジンの動きが安定した。
「よし!さっきは久しぶりだったから機嫌悪かっただけだな!」
マーガレットはそう言いエンジンを切った。倉庫の電気を切り再び店番を始めた。
マーガレットがカウンターの椅子に座ると店のドアが開いた。
「いらっしゃ……って…」
「おっす久しぶりー!」
そこに現れたのはジャックとモーガンだった。マーガレットは警戒し銃を手に取る。
「おっと…そんな警戒しないでって…私らはもうヴィランズコーストのメンバーじゃないしあんたを殺す気もない。ただ話があって来たんだよ」
「…そうか…まあ入れ…」
ジャックとモーガンは店の中に入りモーガンはカウンターの椅子に座りジャックはカウンターにもたれかかった。モーガンはかなり大きなハンバーガーを食べていた。
「へー…お前って普通の飯も食えるんだな…人肉だけかと思ってたよ」
「んー!私だって人肉以外食えるぞ!」
モーガンはマーガレットの言葉にふてくされたがもくもくとハンバーガーを食べる。
「で、なんだよ話って」
マーガレットはタバコを吸いながらジャックに問いかけた。
「「グレッタ」って覚えてる?あんたの師匠「ミラ」を実験台にしたあいつ」
「ああ、あいつがどうした?死刑にでもなったんじゃねぇのか?」
「いやぁ…それならここには来ないよ」
マーガレットはジャックの一言に疑問に思った。
「そ・れ・な・ら・ってなんだよ…」
「あいつ、何者かによって脱獄したらしい」
「へー…お前らがやったんじゃなくて?」
マーガレットはジャックに疑いをかけた。だがジャックは首を横に振る。
「んなわけないって…今日の新聞で知ったんだから…ほら」
ジャックは新聞を取り出しマーガレットに見せた。
新聞には「凶悪犯 脱獄。同時に収容されていた刑務官、囚人謎の死」と書かれていた。
「んで…それだけを伝えに来たのか?」
「いや、本題はここから。グレッタを殺すのを手伝って欲しいんだ」
マーガレットはジャックの言葉に反応した。
「いきなり凄い事言い出すな…まあ、私だってあいつを殺したいが…一応言っとくが私はお前らの事を信用していない。そんなやつに協力してほしいって言うのか?」
「そんな事はわかってるさ。なんならグレッタを殺した後、私らを殺してもいいんだぜ?」
「……。」
ジャックは笑いながら話した。マーガレットはそれを聞きタバコを吸いながらミラの写真を眺めた。
マーガレットは店番を再開した辺りからグレッタを殺せなかった事に対する苛立ちと同時にもし殺したとしてそれで何が解決するのだろうかと思い始める日が続いていた。
その時、マーガレットはある事を思いついた。
「被害者を増やさない…」
これで世界を救えるかはどうか分からないがやってみるだけの価値はある。マーガレットは数分考え答えを出した。
「…ちっ…分かったよ…」
「おー!ならすぐにでも行くか!」
マーガレットは店を閉め、使い慣れた銃を持ちミラのネックレスを首にかけた。そしてジャック、モーガンはマーガレットの車に乗り込みマーガレットは車のエンジンをかけ出発した。
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