過去の様子を見る方法

Summer岸坂

過去を観る

我々は普段から数分前の、つまり過去の太陽をあたりまえに見ている。

空に輝く星たちを見て、あれは現在ではなく何年も前の光を見ていることは皆が知っている。

正確には過去の恒星をみている。

そして我々は一瞬前の月も当然見ることができる。

もちろん月は自身では光を放ってはいない。

そのものが発光せずとも反射した光によって過去が見える身近な例である。

距離が微妙なので過去を見ているという認識は薄いが。

よって高性能な眼に相当する機器が開発されれば遠い惑星の過去も見ることができる。

つまり、何年も前の惑星の表面を見ることが可能である。もちろん静止画像ではない。

過去を見る為に必要なのは時間の操作云々ではなく、高性能な視力であると言える。

ワームホール、瞬間移動なんでもいいので地球から遠く離れ、

超高性能な電磁波観測機器を使用できれば地球の過去を観察できる。

江戸時代でもマンモスでも恐竜でも見放題であろう。

何年前を見るかは距離で調節すればよい。

まあ距離が遠いほど、つまり見たい過去が古ければ古いほど高性能な視力が必要になるが。

一番難しいのは、光よりも速く地球から遠く離れる技術であろう。


さて、光よりも速くなどという当てにならない要素は置いといて

そもそも光は屈折させたり反射させたりできる。

そして、宇宙は果てしなく広大である。

全ての星の光が何万光年もの距離を一切の屈折なしで直進しているのだろうか。

むしろ複数回の屈折で奇跡的にターンして戻って来る光があるとしたら。


そして今夜も、私は空を見上げ太陽を探す…


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過去の様子を見る方法 Summer岸坂 @harayama

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