宇宙から来る者たち
Summer岸坂
宇宙から来るもの
人類は何故、宇宙に自分達の存在を知らせようとするのか。
他の生物から見れば絶対にやってはいけない危険な行為であるにもかかわらず。
外敵にわざわざ居場所を知らせてどうしたいのか。
外敵ではなく友人がやって来る可能性は極めて低い。
やって来る彼らが対等と判断して友好関係が築かれるならそれに越したことはない。
ただ忘れてはならないことがある。
自分達は他の生き物を食しているということ。
例えばやって来た彼らが四足歩行であったら彼らはどう判断するのだろうか。
牛そっくりの彼らだった場合、最悪である。
もしくは昆虫なみの大きさで害虫そっくりかも知れない。
さらにはウィルスのような彼らで既に来ているのかも知れない。
たまに映画などで描かれるあの状況にならなければ良いのだが。
それでは何故、宇宙に手を出すのか。
彼らが外敵であれ友人であれ、変わらないことがある。
それは、地球には存在しない生物や物質などを手に入れることができる。
誰が手に入れるのかって?地球が手に入れるのである。
地球は太陽系では最も進化した惑星である。
自身の分身とも言える生物を所有している。
しかし、太陽系外にはもっと進化した生物や未知の物質を所持している星がきっとある。
地球が進化するためにそれを取り込むことが必要であろう。
人類が他者の腸内細菌を取り入れようとするように。
生物とは地球システムの一部として地球の進化の為に存在し、
人類は無意識のうちに自らの役割を全うしようとしているのかもしれない。
たとえ自身の居場所がなくなるとしても…
一方、彼らにも何らかの収穫を得るという目的があるのだが
彼らが増えすぎて新たな居住地を求めてやって来た場合、こっちに永住することになる。
そしていずれ数が増え、地球システムの一部になる。
これでは彼らの星に利がないように思えるが
必然的に、より進化した生物がそうでないほうの星にやって来ることになる
つまり星と星の助け合いである。
より進化した星が生物を発展途上の別の星に分け与えるのである。
これぞ宇宙全体の進化の為の生物の本能であろう。
仮に彼らが地球の存在を知り、地球までやって来る場合、遠すぎるという問題がある。
具体的には、彼らの寿命がどの程度であるにせよ移動中は命懸けであり
さらに帰れたとしても元の居場所がなくなっている可能性が高いということである。
それでよいのだ。
どちらの星も自身に属す生物よりも優れた生物ならば取り込みたいし
そうでないならいらない。
宇宙から来る者たち Summer岸坂 @harayama
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