けものフレンズ2妄想最終話

@manabemana

最終話、Bパート船の上から

カンザシ「だったら答えろ、なぜお前はそれを描いた。」

キュルル「なぜって…そんなの、わからない。ただ…あの子達と、みんなと仲良くなりたくて…

ずっと助けられてばかりで、僕は何もできないから少しでも喜んで欲しくて…わかり合いたくて…

友達になりたくて…皆んなのことが好きで、好きで…大好きなんだ!!!」

キュルル「ただ、それだけだったんだ…。」

カタカケ「幸か不幸か…」

カンザシ「お前が騒いだせいで惹きつけられたらしい。」

カタカケ・カンザシ「あるいはただの気まぐれか。」

カタカケさんとカンザシさんが船から遠ざかってゆく。

刹那

キュルル「うわっ!?」

船が揺れる、僕は振り落とされないように必死に捕まった。

かばん「何!?」

ラッキービースト「キケン、キケン」

ラッキーさんの警告が海に広がる、態勢を崩さないように気をつけながら僕は見上げた。

ヴヴヴヴヴヴ…

かばん「ビースト!?」

そこにはあの時のビーストがいた。

カンザシ「さてどうする?」

カタカケ「あとは好きにするがいい。」

どうするって言われても、僕に何が…。

ドルカ「キュルルちゃんこっち!」

アシカ「私たちに乗ってください!」

僕は、どうすればいいのだろう。カタカケさんとカンザシさんが、なぜ僕の目の前に現れたかを考えるんだ。考えるんだ、考えるんだ…。

ビースト、人、支配、友達…

フレンズ…?フレンズ…フレンズ…!

カタカケさんとカンザシさんが僕の目の前に現れた理由。スケッチブックを返してくれた理由。

僕が絵を描いた理由。そうだ、気付いたばかりじゃないか。答えは1つしかないんだ。

僕は、バッグの中にしまった絵を取り出した。リョコウバトさんにプレゼントしたあの絵だ。

キュルル「アムールトラさん!」

ヴヴヴヴヴヴ… !

かばん「キュルルちゃん!?」

キュルル「アムールトラさん見て、君を描いてみたんだ。リョコウバトさんがひとりでさみしくないように。今まで出会ったフレンズ…ううん、友達を!」

ヴヴヴヴヴヴ… !

アムールトラさんの眼光が僕を硬直させる。怖くないって言えば嘘になる。でも、それよりも強い気持ちが僕にはある。

キュルル「だから!僕と友達になろうよ!一緒に、遊ぶんだ!」

ヴヴヴ…

ドルカ「キュルルちゃん何やってるの!急いで!」

イルカさんの声が聞こえる。でも僕はやめない。この気持ちがあの子に届くまで。

キュルル「この絵みたいに、みんなで!」

その時、両手で掲げた絵が光りはじめた。

ラッキービースト「キケン、キケン、キケ…大型ノエネルギーヲ観測、カンソク…」

カンザシ「それがお前の答えか。」

カタカケ「それが絵を描いた答えなのだな。」

キュルル「うわっ!?」

赤く染まった海は、瞬く間に白に変わる。僕は思わず目を閉じた。

カンザシ「懐かしい光だ。」

カタカケ「そうだな、私たちをも包み込む、優しい光だ。」

カンザシ「さて、私……はゆ……えを見守………か。」

カタカケ「あぁ、この子………いや、この子たちな……あ……だ。」

カンザシさんとカタカケさんの声が聞こえる。懐かしい光…なんのことだろう。でも、僕もこの光を知っている気がする。

光が消える。目を開けると夕焼けと、海が変わらずにある。でも、ひとつだけ違うものがそこにはあった。

かばん「これは…!?」

ドルカ「嘘…こんなことって…」

アシカ「これがヒトの力なの…?」

キュルル「かばんさん、ホテルに戻ってください!」


……

コウテイ「だいぶ倒したけど…」

ジェーン「まだまだいますね…。」

ゴリラ「キュルルは無事に逃げられただろうか。」

レサパン「だといいんですが…」

キュルル「みんなー!みんなー!!」

カラカル「サーバル、この声って…!」

サーバル「キュルルちゃん!」

皆んなの姿が見えてくる、僕は精一杯の声で叫んだ。

キュルル「皆んな!連れてきたよ!!」

博士「連れてきたって」

助手「一体誰を…」

カイマン「なんか嫌な予感がするんですが」

ヒョウ「ウチもや…」

ワニ「まさか」

???「うおおおおおおおおおお!!!」

ホテルに雄叫びが響き渡る。見上げるフレンズたち。

カイマン「やっぱり!」

ヒョウ「あいつ何ちゅうもんを…」

アリツカ「待ってください!あの子の手…」

プリンセス「鎖が…ないわ!」

カラカル「まさかキュルル…!」

サーバル「キュルルちゃん!!」

僕は叫んだ、アムールトラさんに。願いを!

キュルル「アムールトラさん!僕はみんなと、アムールトラさんと一緒にいたいんだ!僕が帰る場所を、僕のお家を、守って!」

トラ「なんだかよくわからないけど、パークのため、仲間のためだ。この力を全力で使う!」

そう言うとアムールトラさんがセルリアンめがけて突っ込む。

一瞬だった。彼女の強さを目の当たりにする間も無く、気がつけばフレンズたちの周りにセルリアンの姿はなかった。

ヒョウ「嘘やん…」

オオミミ「まさか、こんなに強いなんて…!」

カラカル「あの時より断然強いじゃない…」

戦いは終わった。

でも…


かばん「みんな!まだ終わってない!もうすぐホテルが崩れる!早く船に乗って!」

フレンズたちと僕は船に乗り岸を目指す。振り返ると、ホテルが音を立てて崩れていった。


……

キュルル「アムールトラさん、僕たちを助けてくれてありがとう。」

トラ「ハハ、大したことはしていないさ。それよりも、私は過去にいろんなフレンズを襲ってしまった。本当にすまない。」

サーバル「いいって、いいって!仕方ないよ。それよりフレンズになれてよかったよ!」

カラカル「そうだ、そういえばなんでこの子がフレンズになれたわけ?」

キュルル「気付いたんだ。僕が絵を描く理由を。僕はみんなが大好きだから、友達になりたいからこの絵を描いたんだって。だから、アムールトラさんとも友達になりたい!そう思ったら急に光に包まれて、気づいたら…」

カラカル「へぇ、不思議なこともあるもんね。て言うか、面と向かって大好きだとか言わないでよ!照れるじゃない!」

サーバル「あー!カラカル真っ赤!」

カラカル「うるさいわねサーバル!」

助手「おそらく、キュルルが眠っていたカプセルにあったサンドスターが、そのスケッチブックになんらかの影響を及ぼしていたのです。」

博士「人の思いの強さが、セルリアンをフレンズの姿に変えるなら、サンドスターの力を増幅させると言うこともありえなくはないのです。あくまで仮説ですが。」

かばん「もしかしたら、ビーストになる原因は昔ヒトが動物を支配しようとしていたことと関係があるのかもしれないね…ところで、アムールトラさん」

トラ「なんだろう」

かばん「あなたはどこから来たか、どこで目覚めたか覚えてますか?もしかしたら、サンドスターとセルリアン、ヒトの秘密がわかるかもしれないんだ」

トラ「目覚めた場所…あぁ、覚えているよ。案内しよう。」

かばん「ありがとう。それじゃあアライさん、フェネックさん僕と一緒に来てくれませんか?」

アライさん「かばんさんの護衛はお任せなのだ!」

フェネック「はいよー」

かばん「キュルルちゃんも、ヒトとお家の手がかりが見つかるかもしれないから一緒に行こう」

キュルル「わかりました…!」

カラカル「それじゃ、私たちもついてくしかないわね!」

サーバル「だね!」

トラ「それじゃ、向かおうか。」


……

カラカル「で、なんであんたたちがついてきてるわけ?」

アルマー「えー、いいじゃん!楽しそうだし!」

センザン「アルマーさん、そうやってはぐらかすのは良くないですよ。」

アルマー「うーん…本当の所は依頼がまだ片付いてないんだよね。」

カラカル「依頼?」

アルマー「イエイヌさんの依頼だよ。ヒトを連れてくるって依頼で、そこの子を連れていったわけだけど、その子は今ここにいるじゃない?と言うことはさ、私たちはまだ依頼を達成できてないってことになるじゃない?待つのはなれてるって言ってたけど、やっぱり早く本当に探してるヒトを見つけなきゃってね。」

カラカル「あんた…結構いいところもあるじゃない。」

アルマー「そんなこともあるかも!」

センザン「その一言が余計なのですよ。」

アルマー「はい…」

トラ「みんな、目的の場所はここだ。」

アムールトラさんが指差す先、そこは記憶に新しい場所。そう、僕が目覚めた場所だった。

サーバル「ここってキュルルちゃんと初めてあった時に…」

アルマー「私たちも探したことある場所だ。」

アムールトラさんを先頭に中に入る。彼女に導かれるまま、僕たちは地下室に向かった。

カラカル「こんな場所があったなんてね、それにしても変なものが多いわね。」

通路は狭くないけど、ラジオ虫取り網、タイヤ…いろんなものが道を狭くしていた。

アライさん「あだっ!!何かがぶつかったのだ!」

フェネック「アライさんだいじょーぶ?」

アライさん「一体何なのだ?」

アライさんの足元を確認すると、そこには青いラッキービーストがあった。

カラカル「この色のラッキーさんは初めて見るわね。」

サーバル「動かないね、ジュウデン?が、切れてるのかな?」

キュルル「どうなんだろ?」

僕はラッキーさんを持ち上げる。

ーーーブン…

サーバル「ラッキーさんの目が光った!」

ラッキービースト「トウロクバンゴウ、2021、LBイチガタ、キドウシマス」

キュルル「これは…」

ラッキーさんが、輝き始めた。

終わり

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