異世界受験

凛陰

第1章 受験

第1話 不合格

俺は霧ノきりのじょう 光助こうすけ。どこにでもいる高校三年生だ。高3と言えば受験。受験と言えば、今日は二学期の期末テストの返却日だ。まぁ俺は◯会で勉強もしっかりとやり、家では予習一日二時間、復習一日三時間やったし、正直自信はある。

「期末テスト返すぞ」

先生が言う。

「えー」

とみんなは言う。

しかし、俺は自信があるので、つい

「えー↑」と言ってしまった。

「おい、光助。何やら自信ありげだがお前、堂々と赤点取ってるぞ」

「ワッハッハ」

クラスのみんなが笑う。

テストの結果が返される。

「さぁてと結果が楽しみだ」


国語 10点

数学 25点

英語 6点

理科 13点

社会 16点


計 70点


順位 260人中251人


先生のコメント

後で職員室に来い!


ちなみにテストで赤点だった理由はテスト範囲を一学期の期末テストの範囲で勉強したからだった。

これを見てみんな思っただろうが俺は馬鹿である。


職員室で怒られた後

「は? なんでよ!! 俺の勉強したところはなんでテストに出ないんだああああ!!!」

俺は怒り狂った。すると、一人の生徒、成績トップでクラスの人気者の小泉こいずみ君が

「大丈夫まだ、模試があと一回あるじゃないか。そこで頑張れば、まだチャンスはあると思うよ」

と言ってくれた。

「そうだ、まだ模試があと一回ある。まだまだ、霧ノ城 光助は、終わらねぇぜえええ!!うおおおおおおおお!!!!」

ペンが折れるのが先か俺の集中力が切れるのが先か。

俺は必死に〇会の自習室にこもり、模試に向けて必死に勉強をした。時には草むらで、

「俺は絶対合格してやるぞおおおお!!!!待ってろキャンパスライフゥウウウ↑↑↑」

と叫んだ日もあった。

ちなみに近くにいた女子には散々ひかれた。でも俺は叫び続けた。

時には夢の中で、

[えっ俺A判定!?やった。勉強したかいがあったぜ!

そして学校では、

「えっ。光助...あの赤点を堂々と取った、あの光助がA判定⁉︎」

「やっぱり光助は凄いよ。見直したぜ」

「光助!光助!光助!光助!光助!」

みんなが拍手をする。

「そんなに褒められると照れちゃうぜ可愛いプリンセスたち」

俺はウインクする。

「きゃ〜光助さま。カッコいい」

女子が目をハートにし光助の方に向かう。

「アッハッハ。アッハッハッハ」]

という夢を見ることもあった。

しかし、現実はそこまで甘くなかった。


模試が終わり、結果が返された。


国語 6/200点

数学 84/200点

英語 16/200点

理科 4/200点

社会 10/200点


計 120点

偏差値 33.1


8629人中8321人


E判定


模試からのメッセージ

数学以外ごみな点数だねー


ちなみに、今回の模試で数学だけ非常に高かったのは、数学だけしか勉強してなかったからだ。

なぜ数学しか勉強をしなかったのかと聞かれたら、それは悲しいことに、いつものように草むらで叫んでたら、近くの小学生たちにバッグを持っていかれ、近くの川に流されてしまったからだ。

中には学校の教科書や〇会の教材が入っており、バッグを取った頃にはもう全てダメになっていたが、奇跡的にジップロックに入れておいた青チャートだけは助かった。


そんな災難を乗り越え、受験当日。俺はなんか受かる気がするという謎の自信で挑んだが、結果は不合格だった。

そしていつもの草むらで、

「嫌だ。また勉強なんて、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ〜‼︎」

と叫ぶ。

すると

「そうかい、なら異世界に転生させてあげましょう」

空から誰かの声が聞こえる。声てきには女の声だ。そして俺はその言葉に思わず

「えっ嘘。やったー」

と言ってしまった。


「そうかい、それは良かった。じゃあ転生するよ」

そして少し痛みを感じた。

そして気を失った。


0001.0018


目が覚めると異世界に転生してた。

目の前には、手のひらくらいのスライムがいた。そのスライムは嬉しそうににっこりしながら俺に襲い掛かった。

「わーやめて、死にたくな〜い!」

しかし、スライムは襲い掛かったまま。

「てっあれ?痛くない」

スライムは俺にじゃれついてた。

可愛いのでこのスライムを相棒とすることにした。

スライムはそこまで大きくないので俺はそれを頭に乗せた。


辺りを見渡すと一面荒野が広がっていた。

魔物もこのスライム意外はいなかった。

すると、荒野の中にポツンと何やら人工物らしきものがあった


「あれが町かなあ」


そう思い俺はそこに目指すことにした。スライムと一緒に。


30分後


「フゥー疲れた。やっと着いたな。町。」


「( ´A` )」


スライムもお疲れのようだ。


「だがここからが本番だ。俺の異世界生活は今ここから始まる。」


そう言い街の門をくぐり抜けた。転生場所で見た街は小さく見えたが、案外近くまで来てみるとそこそこ大きい。


中に入ると、そこにはThe異世界の街が広がっていた。

家はヨーロッパ風のレンガ造りとなっており。道には色んな店が並んでいた。食材は見たことないものばかりかと思っていたが、食パンやご飯など現代にあるものもそこそこ並んでいた。お金があったら買いたい。

ちなみにこの世界の通貨は、現実世界同様、国によって違うらしく、ここアセロラはaonというのがメジャーらしい。

ちなみに読み方は「ぇあぅおぅん」と言うらしく、めちゃくちゃ言いにくい。

相場はパン100aonくらいで、ぶっちゃけ高いのか安いのか分からん。

ちなみに文字は普通に読めた。でも街の人に何語ですかと聞くと「ヴォジュブゥン語」というよく分からない答えが帰ってきた。

これはいわゆる転生能力というものかと自分で納得した。


スライムと一緒に街をブラブラ歩いていると、冒険者教会というところを見つけた。

名前は「Nekujo」というところだ。

これもまた言いにくい。

中に入ると何故か異世界人窓口と召喚者窓口にわかれていた。もしかしたらこの世界は転生者が多いのかもしれない。

おそらく俺は側になるのかなと思い、召喚者窓口に行く。もちろんスライムも一緒だ。


「勇者になるために会員登録をしに来ました、霧ノ城 光助です」


窓口にいたのは若い女の人で、愛想はそんな良くない。


「そうですか。ではあなたの勇者IDをを教えてください」


勇者ID? そんなの聞いてないぞ。


「えっ勇者IDてなんですか?」


「はぁ。あなた初めてですか」


「はい」


「では、あなたには今から受験の手続きをしてもらいます」


ん? 今なにか不穏なワードが聞こえたが・・・よく聞こえなかったし、もう一度聞いてみるか


「すいません、もう一度言ってください」


「だから、あなたには今からの手続きをしてもらいます」


「は!?何で受験なんかするんですか」


光助は机をドンと叩く。


「勇者にふさわしいか見極めるためです」


「ふざけんな!!異世界でも受験かよおおおおおお!!」

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