異世界転生でハーレムしたかっただけなのに……
刻銘
彼は転生をする
彼は、普通の大学生である。名は、佐藤 祐介という。
そんな彼があるとき車に轢かれた。別に何か助けようとしたりだとか、心が病んでいたとかそういうわけではない。ただの不注意、すなわち自業自得である。
彼は、死後神にあった。そこには、別の世界への転生もしくはそのまま消滅するかの選択肢があった。彼はすぐさま迷うことなどなく転生を選んだ。心の中では、「チートでハーレムを作って異世界最強だ」などと甘い考えを持っていた。
転生後、彼は狭い監獄に入れられていた。首輪をされ、全く動けず、逃げ出せずにいた。そこには、太っていて悪巧みに長けていそうな男がいる。その男は、
「☆〒○÷・#々〆○*」
と言った。彼は、言葉を理解できなかった。しかし、彼は男の言っている言葉を聞いて「あぁ、異世界だなぁ」とそれだけ思っている。彼は、監獄から外をふと見た。雨が降っている。彼は、「異世界初日なのに雨かよ」と思っていたのだった。
あれから何時間が経っただろうか。男の声は大きくなり、雨がより強く降り出した。男は突然監獄に入ってきた。彼は、必死に男に襲いかかろうとしていたが、何故か動けない。その間、男に殴られた。痛い。彼は泣き、叫んでいる。男は、満足そうに彼を見て笑う。そして、男は監獄に鍵をかけスッキリした様子で出て行った。 彼は思った。これからやな予感しかしないと。激しかった雨は、更に強まり雷もなっている。
次の日、昨日を越える大雨であった。彼の元にまた太った男がきた。今度は、木の棒を持っている。何も喋らず、男は監獄に入る。そして、彼をひたすらに殴り続けた。
もう何時間経ったか彼には分からない。彼の身体は傷だらけあざまみれである。心は、すり減り考えることさえも辞めていた。そして、男は満足そうに帰って行った。
あれから何年も過ぎた。男から彼への暴力は続いた。彼は、「辛い。もうやめてくれ。痛い。死ねない。前世は、普通の大学生だったはずだ。なんで。なんで。なんで……」と。
そんなある日。今日は、とてもいい快晴だ。いつも来るはずの男が来ない。彼は、逆に怖くなっていた。そんな時。彼の前に、綺麗な格好をし、大きな剣を持った美少年が現れた。少年は、監獄に入ってくる。すると、首輪を取り監獄から出してくれた。彼は、通じない言葉で少年にお礼をする。彼は、「今までの地獄を味わせてきたあの男にどんなことをしてやろうか」と考えている。そんな内に外が曇っている。彼は、強くなりたかった。
次の日、霧雨が降っていた。彼は、死にかけていた。それもそのはず、言葉は通じずお金もない。そんな時、少女にご飯をもらった。少女に言葉は通じないが、生きる為多くのことを手伝って生きていた。彼、祐介の異世界のまともな食事にいつも涙なしでは、食べれない生活を送っていた。彼は、とても幸せに感じて生きている。
ある日。大雨が降り、雷がなっている。少女に声をかけられた。彼は、少女の元へと行く。すると、彼は少女に見覚えのある首輪をつけられた。彼は、少女の言いなりとなってしまい、貴族のような家の人に引き取られた。
貴族の家に来てから一日が経った。外の様子は見れない。貴族の家では、あの男かろ暴力を受けていたような監獄に入れられる。監獄に、貴族らしき人が入ってきた。その人が持つのは木の棒なんか優しいものではない。持っているのは、大きな剣である。助けてくれたあの少年とは違い禍々しい。突然左腕を斬られた。あの男とは、違う死の痛みを感じた。
それから、気が狂うほど切り刻まれた。四肢は、無くなっていて頭も働かない。ただ彼は、「異世界転生して、ハーレムしたかっただけなのに。何故、何故、何故何故何故、こんな痛みを味わらなければいけない。何故、何故、何故何故何故…………」と思っていた。
そしてその男は、彼の、目を同時に指で刺しかき回す。彼は、人間の感じるべきではない痛みを感じた。そして、彼は死んだ。何もわからない。何も知らない。言葉もわからない場所で。
また、彼は神にあった。そしてようやく終わったと思った。神から転生か消滅かを聞かれる。彼、祐介は、すぐに消滅を選んだ。しかし、神は、「次は、きっといい人生になれる。楽しく過ごせるから。」と説得する。が、彼は固くに断った。そして神は、神とも言えぬ恐ろしい顔で、
「使えないやつめ……消えろ」
と言われた。その瞬間、彼は「あぁ、この世界は、愚かだ。意味のなく、神さえも見にくい。意味のない世界だ。」そう悟った。そして、佐藤 祐介は、消滅し残ったのは彼を虐めて楽しんだ人、快楽のみであった……
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