第48話 XXXXXマン(?)からの挑戦状

「あの、アル・カリの〝見えない光の矢〟をヤツが持っている・・・

その情報って、確かなのかい?」


『まだ、確証は得られてない。 それを炙り出すのが、今回の仕事だ。』


「どの時点で報酬条件が発生するか、今のうち明確にしておきたいんだけど?」


『レイザービルが、それらしい武器を出現させ、できれば使用したところを撮影

して、そのデータをこちらに送ってくれれば最低条件は一応満たされる。』


「ということは・・・プラスアルファもあるって事だね?」


『そちらができる、というのであれば・・・だが。』


「 ところで、〝新兵器狩り〟する連中の横槍が入ってきた場合・・・

どうなっちゃうのかな? そこらへんもはっきりさせておきたいんだけど。」


『それはこちらに任せてもらおう。仮に、その横槍が原因で結果オーライの形に

なったとしても、それはそれで認めようと思っている。』


「ありがたい。 そう言ってくれると助かるねえ。 とりあえず、こちらの準備は

済んでいるんで、後はそちらから契約書を送ってくれればすぐにでも行けるけど、

日時の指定なんてあるのかい?」


『こちらとしては、その場所に適切なタイミングで〝待ち構える〟事ができれば

それでいい。  そのために、R・Bの進路予想の情報は逐一チェックしてくれ。』


「了解した。」


事務所でPCと向き合っていた若い男性は、一息つくと・・・

内線専用電話の受話器を取った。


「モニカ、契約取れたぞ。 とりあえず、メンバーに召集かけてくれ。」



朝っぱらからキツイ日射しの、北回帰線近くの太平洋上。

レイザービルは尖った顔だけを海上に浮上させ、航行していた。


「・・・ん、ん?」

秀太は少女に揺り起こされて目が覚めた。

少女は犬小屋型PCのモニターを指差す。

「何か・・・映ってるの?」

画像は静止画のようだったが、中央部分に白い三角形の表示。

その部分に手を翳す少女。

どうやら、ニュース映像を録画してくれたようだった。



『レイザービル、我々は君と話がしたい。すぐ近くの海域にメガフロートを

用意しているので、是非一度来て欲しい。我々は君を歓迎する。』


ニュース映像の字幕スーパーには、こう記載されていた。


TEAM フィラデルフィア・フォトグラファーズ代表

戦場カメラマン ポール・ハンター氏


PCで契約や報酬の話をチャットしていた人物だった。



「どう思う?」 と、何気なくそんな言葉を発した秀太。

それがコックピットにいるつもりで話をした事にことに気付き、慌てて

自分の口を手で覆う。


少女は意に介さない感じで、画面に人差し指を立てて動かす。


           ・ わな ・


そう読めた。


「うん、そうだよね。 確かにそう思うよ。」


そう言った秀太を見つめる少女。 口が真一文字に近い形になっていた。






 

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