何かしら問題が有る話

セイちゃんとイフちゃん

 正義を重んじるセイちゃんは、自ら望んで風紀委員へ所属してから、学園の秩序を守るために乱れた者へ、厳守すべき事柄や理由を説いているが、その時に限り改める愚か者に、不満を抱いている。


【区切り】


 風紀委員に所属した頃に、仮面を付けた女学生イフちゃんの噂を耳にしたセイちゃんは、イフちゃんを注意して仮面を外させるべき、と風紀委員長へ主張したが、先生方は認めていると返答されて、乱れを認める権力者先生方の意識に不満を抱いた。


 更に、イフちゃんが生徒の立ち入りが禁止されている、校舎の屋上で活動していると知ったセイちゃんは、イフちゃんを特別視して原則的に禁止されている事を認める先生にあるまじき行為と先生方を非難したセイちゃんは、誰も頼れない……自分が成さねば……、と使命感に燃え始めた。


 特別視する正当な理由を先生や風紀委員長から提示されず、怖いからと言われたセイちゃんは耳を疑い、真実なら恐ろしい不良だ、と思った。


【区切り】


 昼休み、活動禁止区域校舎の屋上で活動する主犯格、イフちゃんの下へ向かったセイちゃんは、仮面が未装着なイフちゃんを見ると、強烈で敵わないと思わせる恐怖を感じた。


 逆らう無謀さを感じて平伏しそうだったが、悪に従い正義を穢さぬために、悪に屈しないと自分を鼓舞したセイちゃんは、イフちゃんを挫く英雄ヒーローに成ると息巻いて、原則的に禁じられている行為を指摘した。(服装(仮面)と屋上の使用)


 仮面が無いと外を歩けず、食事は人が居ない場所でしか行えず、先生からは許可を得ていると反論された、セイちゃんは昼休みの間、説得を試みたが改善は見込めなかった。


 イフちゃんの考えを聞き、恐いからとイフちゃんを仲間外れにしている者たちは間違っていると考えるセイちゃんは、イフちゃんが自分を責めて、距離を置いている事が気に入らない。


 イフちゃんの言葉から優しさを感じたセイちゃんは、向けられる怯えた視線に負けずに仮面を外すべきと考えているが、イフちゃんから感じた恐怖の実感は事の困難さを想像させた。


【区切り】


 初対面のセイちゃんから背負い込んで自分を犠牲にする愚行を指摘されたが、誰かを恐れられる事を嫌い孤独に逃げたイフちゃんは、嬉しくも無力な自分をセイちゃんの苦言から再認識しました。

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