第109話「戦国武将の武士道」

 永禄十年、甲斐国。

 甲斐の虎・武田信玄は駿河の今川氏真に塩を止められて困っていた。

 武田信玄は上杉輝虎(一般人の想定する上杉謙信を指す言葉。コイツの女性説は天海僧正=明智光秀説、徳川家康影武者説に並ぶ時代ものの鉄板ネタである)よりもずっと今川家と仲が良かったはずだが、今川義元が桶狭間で信長に討たれ、氏真が相模の北条氏康と手を組んでからは関係が悪化し、これによって内陸の甲斐国は塩を止められ、食糧の保存に甚大な被害を受けた。しかしこの事実を知った上杉謙信は今川を卑怯であると非難し、義をもって終生の敵であったはずの武田信玄に塩を送ったという逸話が「敵に塩を送る」という言葉の語源であるとされている。

 するといきなり長いレールガンをもった女子高生がやってきて、とにかくすごい感動した様子で興奮気味にマルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウスにこの逸話を教えてあげた。

 カルタゴに塩が送られた。


 ○マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス


 古代ローマの将軍、政治家。大カトーとも呼ばれる。

 第二次ポエニ戦争(ハンニバル戦争)でローマの盾と称されたクィントゥス・ファビウス・マクシムス軍において活躍し、財務官、按察官、法務官、執政官などを歴任した。

 ともあれカルタゴは滅ぶべきである。

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