第6話 おまけ~ボードゲーム紹介

タイトル:禁断の島

原題:Forbidden Island


ゲームデザイン:マット・リーコック

アートワーク:C.B.カンガ

出版社(販社):Gamewright(アークライト)

対象年齢:10歳以上

プレイ人数:2~4人

プレイ時間:公称30分/実測60分以内

発売年:2010年


TIPS 1:

 プレイヤー同士が対戦するのではなく、協力して同じ勝利条件の達成を目指していくタイプのゲームを『協力ゲーム』と言います。1対多で対戦を行うゲームやプレイヤーの中に密かに裏切り者がいるようなゲームも『(半)協力ゲーム』と呼ばれることがありますが、本作はプレイヤー全員がひとつのチームになって遊びます。つまりはワンチーム。


TIPS 2:

 このゲームで特筆すべきはやはり、どんどん早くなっていく浸水ペース&どんどん狭くなっていく島が生み出すハラハラ感でしょう。特に中盤から終盤にかけて一気に展開が加速していく感じは、ランダムに生成されたものであるにも関わらず、とてもドラマチックです。


TIPS 3:

 作者のマット・リーコックは本作に先立ち『パンデミック』という感染爆発をテーマにした協力ゲームを製作しています。こちらは上級者向けの『禁断の島』と言っても良い内容で、よりハードでよりダイナミックな展開を楽しむことができます。


TIPS 4:

 とは言え本作にも本作なりの魅力があります。ルールがシンプルになっている分、プレイヤーはもちろんルールの説明者にとっても遊ぶためのハードルが低い点。セットアップが簡単でプレイ時間も60分程度(慣れてくれば箱の記載通り30分で回せるでしょう)と協力ゲームとしては短い部類です。そして何より冒険ロマン(どんっ)。


TIPS 5:

 協力ゲームの宿命としてしばしば指摘されるのが、声の大きいプレイヤーの言いなりになってしまう『奉行問題』です。本作にはこの問題を解消するようなメカニクスはありません。行動の決定権はあくまで手番プレイヤーにあることを踏まえて、手番プレイヤーの気づきや悩みにより沿って議論をしていくことが大切です。


TIPS 6:

 本作以降も『マイス&ミスティクス』『花火』『ダンジョンタイム』等々、多種多様な協力ゲームがつくられています。リーコック氏自身も『禁断の砂漠』『パンデミック:レガシー』『サンダーバード CO-OP(※)』等々、精力的に協力ゲームを製作し続けています。しかしそれでもなお、古代アーキアの財宝のように輝き続ける存在――それが『禁断の島』なのです。


(※)なんとあのサンダーバードのボードゲームです。


TIPS 7:

 2019年春に待望の完全日本語版がアークライト社から発売されました。キャラクターカードや水位上昇カードが日本語なのはわかりやすくて良いですね。興味がある方は是非完全日本語版で遊んでみてください。

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