エピローグ

 これは町の住人が聞いたとある噂話。


 町外れの深い林の中には、大きな湖があり、そこには美しい人魚が住んでいた。

 その人魚は一人の若者に恋をし、若者も人魚に恋をした。

 そして、人魚は魔女に自分の願いを言う。


 «私の願いは人間になり、愛している人の傍にずっと寄り添うこと»


 その願いは叶えられ、人魚は人間になった。


 その後、若者と人間になった人魚は手を繋ぎ、お互い幸せに暮らしたらしい。

 その人魚は、時折、湖に訪れては恋人と寄り添い、美しい声色で歌を歌うそうだ。


 そして、人魚が歌うと、必ず彼女の周りには沢山の魚達が現れるという……。


(終)

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