13.バラスコでの厄災ー10 敵か?味方か?
俺たちは進撃のため、ディーク森林、手前にあるゼント川の橋を渡っている。カランディー国に行くにはこの川の橋とディーク森林(通称・光と闇の境目の森)を通らなければならない。・・・・のだが、ゴーティエ率いるルビーローズ隊、イザヤ、パーカー、そしてカーター。俺たちは橋から動けずにいた。
橋が壊れている。この崩壊した橋を見て、ゴーティエ隊長は冷静に話した。
「遠回りはできるが、この道が一番近道だ。どうにかするには……」
ゴーティエは考えた。
カーターが話した。
「でもなんで橋が壊れてるのかな?やつらのしわざか?」
「いや、それはない。この橋は我が国の手法だ。エクストラドローズブリッジって言って、橋脚の所に国のバラの紋章が彫られている。歴史のある橋でもある。すごく簡易的に見えるが、凄く頑丈な橋さ。それを壊すとなると、かなりの時間や人、道具などがなければ無理だ」
歴史の橋なので、ゴーティエは怒っていた。
いつも冷静で滅多に怒らないが、隊長が怒っていた。
同じ時に、ゴーティエ達を近くの草むらから覗いている謎の女がいた。
誰も気づかなかった。ゴーティエもカーター達も兵士も誰一人気づかなかった。
「とは言うもの、このままではカランディー国おろかディーク森林すら辿り着けない。橋を作ろう」
「ゴーティエ隊長!橋を作るのは難しいかと!我々は能力もない兵士。そのような技術も持ち合わせてございませんっ!!」
ゴーティエは兵士の話に応えた。
「大丈夫だ、この兵士数、俺、カーターたちも手伝ってくれる。それで、つり橋を……」
と、ゴーティエがつり橋の話をしようと切り出したところに、途中からグラマーな体型をした謎の女が割り込んできた。
その女は近くの木の陰から現れた。
そして、ゴーティエたちに話した。
「違う!つり橋じゃなく、木橋をつくれ!この人数なら簡単な筈だ!そんなことも思い浮かばないのか!?」
「っ!なに?お前はなんなんだ!誰だ!?お前に助言される筋合いはない!」
「そんなこといってる場合か?違うだろ?今は少しでも沢山の人手がいるとおもうが?」
「確かに…だが簡単に信用することは出来ない」
「まったく……では、私の願い聞いてもらおうか?」
「なんだ?言ってみろ」
「ふふふ、簡単な事だ。報酬として1000BG頂く」
「!なんだと!」
この場にいる者たちはあまりの金額に驚いた。
1000BGとは、バラスコでは4000BGで、フローラ村の2倍の計算のゴールドになる。
「どうだ?安いもんだろ?おぬしらには安いもんだろ?どうだ?乗るか?」
「っ!いや…でも」
「ふう、いやあまり時間はないと思うぞ、この嘘のような真実を信用するか、おぬしの考えで真実のようで嘘を真じるのか?私に乗れよ、もう時間は無いぞ」
と、言いつつ、女は後ろに指を差した。
カーターやゴーティエたちは振り返るとイザヤが血相を変えて走ってきた。
「みんな! カーター! ゴーティエさん! 大変だ ~ ! ! 」
離れたところにある木の上で監視していたイザヤが走ってきた。
これにはカーターが応えた。
「 イザヤ どうした?何があった? 」
イザヤはハアハアッと息を切らしてすこしずつ話した。
「さっき上でカランディー国をサイトで見てたら、やつら!兵士を連れてこっちに向かってる!」
「 なんだと! なぜだ! なぜ気付かれた!この道が近道なのは俺たちしか知らないはずだ! 」
ゴーティエは怖い顔をした。少し焦っていた。
「これで選択は一本になったな? どうだ? 条件を呑むか? 」
これにその場にいたパーカーがゴーティエに小さな声で訪ねた。
「……ここは、ゴーティエさんに任せる」
「 わ、わかった… 」
「くっ! くそ!やむ終えんか、 …… わかった! そうしよう 」
ゴーティエは心の中で思った。
(こんなやつ信用していいのか? でも、 時間もないし、 手も多いほうがいい )
パーカーはそんなゴーティエを見て、心配そうに、悲しそうな顔をし、ゴーティエの顔を見ていた。
「 よし、 では私の能力を使ってやろう 」
「 能力だと ? 」
「 まあ、見ていろ 」
謎の女性はそう言うと、川のほうへ近づいた。
パーカーとゴーティエのふたりは、その女性の行動になにができる ?
俺はこいつの能力は知らない。
この橋をどう直す?
造る?
何をする気なんだ?
頭の中で、不信感とともに、どうやって橋を造るとか? に好奇心ができた。
女性の顔は凄く自信満々な微笑みを浮かべていた。
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