君は春を告げに来る。

✿君の苦手なもの

桜花（おうか）の苦手（にがて）なものその１、水（みず）。

まぁ、これは猫全般（ねこぜんぱん）が苦手（にがて）としていると思（おも）うけど。

毛繕（けづくろ）いをあんまりしない猫（ねこ）だったから家猫（いえねこ）の筈（はず）なのに

いっつも薄汚（うすよご）れてた。

白猫（しろねこ）の筈（はず）なのに、灰色（はいいろ）の猫（ねこ）に見（み）えることもしばしば。

だから、たまーにお風呂（ふろ）に入（い）れてたんだけど、いつもぼーっとしてる猫（ねこ）と同（おな）じ猫（ねこ）

とは思（おも）えないほど暴（あば）れ回（まわ）っていた。

苦手（にがて）なものその２、狩（か）り。

そもそも虫全般（むしぜんぱん）が苦手（にがて）な猫（ねこ）だったし、鳥（とり）とかは動（うご）きが速（はや）くて追（お）いつけない。

木登（きのぼ）りとかも出来（でき）なかったから、高（たか）いところに逃（に）げられたらそれで終（お）わり。

只（ただ）でさえ、運動神経（うんどうしんけい）の悪（わる）い猫（ねこ）だったのに太（ふと）ったせいで

さらに動（うご）けない猫（ねこ）になっていた。

苦手（にがて）なものその３、掃除機（そうじき）。

あの大（おお）きい音（おと）がダメだったんだろうか。

最初（さいしょ）は音（おと）から逃（に）げてる感（かん）じだったけれど、最終的（さいしゅうてき）には掃除機（そうじき）を見（み）せるだけで

逃（に）げるようになってしまった。

吸（す）い込（こ）まれるとでも思（おも）ってたのかな。

あの小（ちい）さい吸（す）い口（くち）で桜花（おうか）を吸（す）うのは多分無理（たぶんむり）だったと思（おも）うけど。

掃除機（そうじき）を掛（か）けるたびに桜花（おうか）は逃（に）げ惑（まど）っていた様（よう）な気（き）がする。