第61話 VSジョージ・ビルドルフ(第3回公判)
御前裁判2日目 境界時間10:00 4界宇宙統合司法裁判所 第7法廷 第3回公判
摩耶:これより、第3回公判被害者側の証人尋問を執り行います。検察側、始めてください。
結衣:はい、昨日の第2回公判目撃者の証人尋問にて証言した遙さんに引き続き被害者側の証人として証言台に立ってもらいます。
挙手をする弁護士
弁護士:異議あり!昨日の目撃者証人尋問の最後に証言した遙さんはあくまで目撃者であって、被害者側の証人として成立しないものであります!
摩耶:私も弁護人の言う事には一理あると思いますが検察側、弁護人の異議に対し反論はありますか?
結衣:昨日最後にて申し上げた通り、彼女はビルドルフ合衆国政府よりタイタン建設グループ本社へ監査役として潜入しておりました。任務とはいえ被害者との交流があり、殺害される前日に本件に関わる重要な証言があるとの事から被害者側の証人として十分に値すると判断しました。
摩耶:それは聞く価値がありますね。よって当法廷は被害者側の証人と認め、弁護側の異議を却下します!
弁護士:グッ!
摩耶:それでは証人、お願いします。
ジョージ:(何を喋るつもりだ!)
遙:・・・事件発生前夜、彼は私を食事に誘いレストランにて食事をしておりました。
結衣:その時被害者はある重要な発言をしていたのですね?
遙:はい、その時彼が言ったのは・・・
『事件発生前夜 都内レストラン』
建吾:遙、もしかしたら俺は近いうちに殺されるかもしれない。
遙:急にどうしたの?
建吾:1ヶ月前、取引先との打ち合わせに使う書類を忘れて会社に戻った時資料室に覆面をした2
遙:その覆面って誰なの?
建吾:1柱はスーツに地精重工グループの社章のバッジ、しかも金色だったから、ブライ・ドルトンだと思う。もう1柱は神気の高さから神王だと思うけど誰かまでは分からない。
遙:彼等は何の話をしていたの?
建吾:次元大震災が起こった旧カレイド王国を覚えてるか?
遙:ええ、彼処の次元エネルギー精製プラントはウチが受注して建てたのよね?
建吾:マスコミにはプラント関係者の
遙:あるもの?
建吾:ヴァルキリーを建造する地下秘密工場さ。俺はこの事実を彼等が資料室に隠していた証拠品を持って魔界のマスコミに公表するつもりだ。天界のマスコミは奴等の手が回ってるからね。
『再び第7法廷』
遙:当然、私はその事は知っていました。それが外部に漏れるような事があれば口封じをする、それが私の任務でしたから。
結衣:でも貴女はそれが出来なかった。貴女は食事が終わった後にバーへ誘い被害者を酔い潰れさせ彼の自宅で介抱するフリをして殺す筈だった。あるものを見付けるまでは、そうですね?
遙:はい、それは彼の自宅リビングにあった私宛の手紙でした。
結衣:サトウ警部の話では本社にある彼のデスクから見付かりそれを中から取り出したとありますが、貴女は事前に彼の聖紋を持っていたそうですね?
遙:・・・はい。手紙の内容を読んで私は既に彼に情が湧いていた事に気付きました。
結衣:そこで貴女は手紙を取りその足で本社へ向かい彼のデスクのロックを解除してそこにその手紙を入れた。それは
遙:その通りです。
結衣:それが結果的に貴女の容疑を晴らす事になった。
遙:それがどうして私の殺害容疑を晴らす結果に?
結衣:サトウ警部はその時あるものを持っていてそれで隠された手紙の裏に書かれた内容を読む事が出来たからです。
遙:そのあるものとは・・・まさか⁉︎
結衣:そう、被害者の聖紋です。
傍聴席が騒めきだす
摩耶:静粛に、静粛に!続けて下さい。
結衣:貴女がその手紙をデスクに入れたのが死亡推定時刻の2時間前、そして貴女が本社を出て2時間後に被害者は殺害された。
弁護士:異議あり!その証言を裏付ける決定的な証拠はありません。証拠が無くては検察側の単なる推理に過ぎません‼︎
摩耶:検察側、証人の証言を裏付ける証拠はありますか?
結衣:残念ながら物的証拠はありません。ですが、決定的な証拠はございます。
弁護士:ど、何処にあるというのですか!
摩耶の横に控える判定官を指差す結衣
結衣:そこに控えているではありませんか、決定的な証拠が♪
摩耶:そうですね。判定官、今の検察側の証人の証言は本当ですか?
瞑想をして静かに目を開け答える判定官
判定官:検察官と証人の証言及び推理は事実です。
弁護士:判定官の判定が真実とは限りません!そんなの口裏を合わせれば幾らでも捏造判定出来・・・
摩耶:弁護人、貴方はそれ相応の覚悟を持って発言しているのでしょうね?判定官に虚偽の判定を疑うという事は天界大帝ラクード様の判定を疑うも同じ。そうなれば当法廷は
弁護士:うっ!
摩耶:もしも、ラクード様の偽証罪が確定すれば天界宇宙を揺るがす一大スキャンダル。しかしながら判定官の判定が真実となれば、
弁護士:べ、弁護側は先の発言を取り消させていただきます。
結衣:検察側からは以上です。
摩耶:それでは第3回公判をこれにて終了し、明日第4回公判に移ります。
第4回公判へ続く・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます