第52話 強盗殺神事件(捜査)

 ユリカ:ヤアミンナ、ユリカダヨ〜。


 摩耶:なんかナレーターさんがいつもと違う?


 ユリカ:イツモドウリダヨ〜。


 結衣:いや、絶対変でしょ。


 ユリカ:いきなり法律相談コ〜ナ〜!


 結衣:ホントいきなりね。


 ユリカ:私ユリカはあちこちで登場人物に絡み過ぎて昨日遂に局のお偉方呼び出され、『今度爆弾発言とかしたら君のお宝を没収する』と言われました。これはパワハラじゃないでしょうか?


 摩耶:えっと。


 結衣:お宝?盗品の間違いでしょ?そのお偉いさんの言い方だけ聞けばそうかもしれないけど。


 ユリカ:でしょ!でしょ!


 結衣:その前に貴女普通に住居不法侵入、ストーカー規制法違反並びに窃盗罪で即逮捕ものだからね。


 ユリカ:うおっ!墓穴掘ったじぇ!


 結衣:まぁ、本人から被害届出てないし、不法侵入も『許可出してる』って言うし、盗品に関しても『ユリカちゃんにあげた』と主張してるなら逮捕出来ない。アオイさんに感謝しなさいよ。


 ユリカ:ふぁい!


 事件発生から2日後 天界時間10:00 建設超大国ビルドルフ合衆国 商業特区


『タイタン建設グループ本社』

 

 ゲン:ここが害者のデスクかにゃ?


 女性社員:はい、事件発生から警察の方の指示で当時のままの状態にしています。 


 ゲン:ま、現場保存は捜査の基本中の基本にゃね・・・ん?


 女性社員:どうされました?


 ゲン:・・・ここ最近があるにゃ。


 女性社員:えっ!ほ、本当ですか⁉︎


 ゲン:ヒロ、こっち来いにゃ!


 ヒロ:はいは〜い!


 神気採取専用ケースに残った神気を採取するゲン


 ゲン:ここに残ってる神気を採取した。コイツを科捜研に持って行って誰のものか調べてほしいのにゃ。


 ヒロ:了解です!


 女性社員:一体誰が?


 ゲン:さあにゃ、1つ言えるのは俺等4界警にがあるんだろう。


 女性社員:ではまだこのデスクの中に?


 ゲン:おそらくにゃ。


 女性社員:その根拠は?


 ゲン:先ず第1に、このデスクは他とデザインが違うという点。


 女性社員:そういえば土屋さん、『最近誰かにデスクを触られている気がする』って言って魔界のメーカーから防犯機能付きのデスクを購入していました。


 ゲン:だろうにゃ、コイツは魔界宇宙の最先端防犯機能が付いたモンだからにゃ、それに。


 女性社員:それに?


 ゲン:その誰かが無理矢理も残ってるにゃ。


 営業3課に入る鑑識官


 鑑識官:お待たせしました警部!


 ゲン:早速始めてくれにゃ。

 

 鑑識官:はい。


『1時間後』


 鑑識官:警部。


 ゲン:何か出たかにゃ?


 鑑識官:はい、鍵付きの引き出しにあった聖紋は3つ。現在社内全体の関係者全ての聖紋と科捜研で照合中です。


 女性社員:・・・・


 ゲン:引き出しは開けられたかにゃ?


 鑑識官:はい、このデスクは魔界宇宙の大手家具メーカーとレイブンセキュリティ社が魔界宇宙初の共同開発した新商品でした。しかも、天界仕様にした特注品である事も判明しております。


 ゲン:具体的にはどういう仕組みなのかにゃ?


 鑑識官:このデスクは聖紋認証システムをベースに網膜、声紋の3つのどれか1つでも欠けると開かない仕組みになっています。しかも2必要なんですよ。


 ゲン:2ふたり分?


 鑑識官:手順としましては、先に所有者の聖紋を読み込みます。すると、2つの液晶操作パネルが浮かび上がりそこに2柱分の聖紋、網膜、声紋の読み込ませる事で開く様です。


 ゲン:じゃあ開かにゃいのか。


 鑑識官:そうでもありませんよ。メーカー側の話によるとですね、ここを触ると・・・


 引き出しの取手部分の下を触ると操作パネルが現れる


 鑑識官:そうしたら、パネルの所有者にもしもの事があったらの項目をタップしてメーカーから送られたメールにあったパスワードを入力すると・・・


 音声ガイド:パスワード認証に成功しました。メーカーと照会を開始します。


 鑑識官:メーカーにパスワードが正当な手続きを得て入手したものか不正に入手されたものかを照会します。そうすると・・・


 音声ガイド:入力されたパスワードが正規のルートで入手されたものと確認されました。


 引き出しが開く


 鑑識官:この様に開きます。


 ゲン:さて、中身は・・・USBメモリーと書類の入った封筒と・・・手紙?


 慌てて手紙を取り出す女性社員


 ゲン:・・・成る程にゃ、やっぱり3つの聖紋の1つは貴女のものだったかにゃ。


 女性社員:・・・・はい。

 

 ゲン:ま、それはアンタが持ってるといいのにゃ。


 鑑識官:えっ!良いのですか⁉︎事件の手掛かりがあるかもしれないのに! 


 ゲン:あの手紙は彼女がのにゃ。だからその手紙に関してだけは第3者の俺達はどうこう言える立場ではないのにゃ。そうだろう?


 涙を浮かべて感謝する女性社員


 女性社員:・・・ありがとうございます、読み終えたら必ず証拠品としてお渡し致します。


 鑑識官:・・・あっ!そういう事でしたか。


 ゲン:さ、これらの証拠品の解析といこうか。


 鑑識官:はい。


 家宅捜索へ続く・・・















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る