第6話 桜並木の下

息子の入学式に行ってきました。

わたしが小さなときに6年間通った小学校。


いまも、あの頃と同じように、学校前から校庭の中までの桜並木は健在です。


PTAの多くの方や学校まわりに住まれている方の、日々のお手入れの結果かなっ?


多くの出席者の方にわたしの車いすは迷惑だと思い、学校近くの知り合いのお家に主人の車で行き、学校までは息子に主人と共に杖をついて行きました。

子供たちと同じ目線で桜を見るんじゃなく、今日は立ったままで大人の目線、次は誰にも迷惑をかけないように車いす目線で学校の桜並木を見上げたいなっ。


入学式を終え、息子を連れて校庭を歩いてると、

「お母さん 杖で大丈夫でしたかっ? 学校の方では連絡さえしていただければ それなりに用意させてもらいましたが」

と、新任の教頭先生が。


わたしの車いすのことは多くの教職員の方は知っています。

だからといって、こういう時に迷惑かけちゃいけないし甘えても・・・という思いで車いすじゃなく杖でと・・・と、教頭先生に非礼をわび今後のことや娘に息子のこともお願いしてきました。


わたしが息子とウロウロしてる間に、主人が車の中から車いすを出して運んできてくれました。


車いすに座って見上げる桜並木、ふと脳裏に浮かんだのは、わたしの入学式の日のことです。


好いお天気に桜並木、この時期には必要な情景ですねっ。


教頭先生から言われた言葉に、カラダの不自由になったいま、生きていくうえで頼ることも甘えることも、躊躇しないでいきたいと・・・。

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