ずっと一緒だよ。~突然過保護のイケメン幽霊に憑かれたら・・・!?

優奎日伽

第1話 プロローグ

 


 そこはとても温かくて、安心する。

 母親の胎内に戻り、羊水の海で揺蕩っているようだ。

 ずっとこの場で眠っていたい、そんな気にさせる。

 ここに居たらもう、痛みも辛さもきっと無縁だ。

 躰を赤ん坊のように丸めて、ふわふわと漂っていたい。


 ―――みんなが待ってるよ


 誰かが言った。

 そっと頭を撫でられて、顔をそろそろ上げると小首を傾げた。

 目の前に差し出された手を躊躇いもなく握ると、何故だか胸の中が満たされて、ぽかぽかと暖かい。

 手を引かれて歩いていた。

 心は凪のように穏やかで、安寧だ。

 嬉しくて顔を見上げた。

 なのに相手の顔が見えない。


 ―――あなたは、だぁれ?

 


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