第4話 バラ園の妖精

ホテルから戻った4人は元の道を戻り教室の黒板から現れたドアから教室に戻る


「それにしてもまだ慣れないな黒板から出入りしている見たいで」


樹達はその話に夢中だった。


いつの間にか戻ってきたおおとり先生が教壇の前に立つ。


「樹、陽月先ほどの連携プレイ見事でした

次はホテルからの申し出でローズティの製作変わった飲み物、薔薇限定の課題が出された、これはホテル側の職員が使用する物だから期間は1週間優秀賞にはMPは2千ポイントが支払われる」


教室は歓喜に溢れる2千もあれば色んな物を買えたり食事も楽になる


おおとり先生、バラの飲み物なら何でも良いですか?」

楓月そうげつは皆が気になる事を聞く。


「基本的にMPを使わずに作るようにしてもらいたい山の方角にバラ園があるからそこから貰ってくるといい」


おおとり先生は先日登った山にバラ園があるらしい


「準備が出来たら言いなさい付き添い役を校長先生から頼まれている、あの山にはバラの守役の妖精がいてね僕は知り合いなのだ」


まずはバラが必要それも大量に迷ってる暇は無い

おおとり先生お願いしますバラ園の案内を」

皆一斉にハモってしまう。


「ねぇ陽月、ローズティ以外も作って見ない?ローズゼリーとか絶対美味しいと思うの!」


莉土りとは眼をキラキラさせながら陽月を見る。

困ったような顔をしておおとり先生を見て先生にたずねる。


「先生デザートを作っても良いですか?」

陽月はおおとり先生の許可を取ると


「良いですね!デザートとは、とても素晴らしいMP《魔女ポイント》を追加しましょう質問は?以上ですかないならバラ園に行きますよ。」


おおとり先生は思い出したかのように両手でポンと鳴らす


「そう!マジックキーを忘れずに持つようにお願いします」


学園の裏には山がありクロエ校長の所有する山で色んなものを栽培しているようだ。

山には案内板の矢印があり右に行くと薬草の採取所、左に行くとバラ園と書かれていた。


「薬草を取りに行くときは気づかなかった」


「そうだね樹でも最近立てたものじゃないみたいだよ」


楓月そうげつは案内板の裏が脆くなっていることを指摘する。


おおとり先生は先頭を先導しながら、バラ園の妖精の話を話し始めた。


「実はバラ園の妖精は以前、魔女見習いだった僕のパートナーでね今は妖精見習いの指導をする先生でもあるんだ。だから君たちを連れ来たかった!」


おおとり先生の話だと、バラ園の妖精は見習い妖精を指導する妖精で色々、私達の見習い妖精に学んでもらいたいらしいのだ


バラ園に着いたおおとり一行は色とりどりの薔薇にみとれていた。


薔薇に囲まれた門には赤や白、黄色、この薔薇を維持するには相当な努力が必要だ。


「なっ!凄いだろ元私の妖精ブルーローズがここを経営している」


おおとりは二カッと笑いポーズを取る。


おおとり先生、経営と言うことは購入する前提ですか?」


樹は気になりおおとり先生に質問する。


「いや!違うよ君たちはブルーローズの手伝いを終えた後、報酬で貰えるようになっている。」


バラ園では門にカードキーが必要でおおとり先生が青いカードキーを通すとピピと音がなり門

の鉄格子は上下に移動して鉄格子は見えなくなる。

薔薇の門を通ると、数多くの妖精が薔薇のお世話をしている。


バラ園の中はフラワーショップやアクセサリーの店が数多くあり、

教師の課題なんて必要ないんじゃ

と思うくらい充実している。


おおとり先生これはどういう事ですか。俺ら必要ないのでは?」


樹がみんなの代表で代弁してくれる。


「あぁ!ここにある物は持ち出せないんだよ学校にある物で代用して作るここの薔薇はご禁制の薔薇解るかね?」


ここにいる妖精は下級妖精に指導する妖精で持ち出せないとなると

それ以上の位、精霊が存在する。


「まさか精霊のための薔薇なんですかここの薔薇は?」


樹の推測でおおとりの言葉を理解した!


「ご明察、精霊と言っても何体いるのか不明しかも薔薇は妖精や精霊にとっては食料やアクセサリーになる服なんかもそうだ!君たち4名は薔薇のお茶とデザートを学んで欲しい」


おおとり先生の話だと宿泊施設もあり食堂もあるので、ここで合宿をして1週間で完成させなければならないらしい。


すると、おおとり先生に妖精がコソッと耳打ちする。


「どうやら、私はブルーローズに呼ばれたようだ。君たちも一緒に来なさい、ここで妖精は召喚させておくように。」


そう、普段は生徒手帳に妖精は入っており妖精の体力の消耗が激しいため長くは召喚出来ない。


ここでは妖精の体力は全然減らずむしろ元気になるようだ


「ここの妖精は警戒心が強くてね君たちにはまだ信用されてないようだ」


まだ信用されてない、せいでちょっと近づくだけでサッサーと逃げてしまう。


「まぁ何だとりあえずブルーローズがいる所に向かおうか!」


バラ園の周囲は薔薇の囲いで外からでは何も見えない状態になっていて中に入るとバラ園ではなく、町そのものだった。



バラ園の奥は神殿がありおおとり一行は神殿に向かう。

中に入るとブルーローズは青い薔薇の世話をしていた。


「来ましたね!おおとり彼女達が光と闇の妖精との契約者ですね!では皆さん妖精を召喚して下さい」


まるで、全て観て来たような喋りかたで見透かされているように感じる。


それぞれの妖精を召喚し楓月そうげつだけをブルーローズは奥の間まで呼び付ける。


「なぜ?貴方がここに居るんですか精霊女王様、貴女は行方不明になってらしゃると伺いましたが。」


楓月そうげつの妖精二体は合体して精霊女王の姿になる。


「今の私は彼の契約者です私の世話係の精霊に仮の妖精女王を任せています。それほど事は深刻なのです」


精霊女王の話だとクロエとシロエの話だそうだ、2人の魂は長いこと2分割されてかなりの年月が経つ

クロエはいつも平気そうな顔をしているが、相当な魔力を使うそうだ。魔力を補充するにはここで魔力を補充しなければ魔法は使えない、となれば彼らにスイーツやローズティーを作って補充しなければならない。


他の教師も同じで食べ物やローズティーでの魔力回復かここでの本の持ち込み回復させるかの2通りしかない。


教師達は仕事上忙しく、来れないので生徒に体験学習として毎年行かせている。


「クロエに倒れられると困りますからね陽月の兄を借りてクロエの監視役をしています。しかし良く分かりましたね私だと」


精霊女王はブルーローズに尋ねる

ブルーローズは代々妖精女王になる定めで血縁であればすぐに見つける事ができる。


「たやすい事です、先代様クロエの事はわかりますがご自分の立場を考えて行動を.......」


精霊女王は片手をブルーローズの顔に向け皆まで言うなと行動をとる。


「時間がありません早く生徒達に作り方を」


「分かりました、できるだけ高レベルの物を作れるように指導します、宜しいですね楓月そうげつ


奥の間から楓月そうげつとブルーローズが出てくる。


「やぁ!楓月そうげつ話は終わったかい」


おおとり先生はまるで話を聞いていたかのような笑みを浮かべる。


「あぁ終わったよ早く始めようか!俺はローズティを作らせてもらう幸い風の妖精と水の妖精と契約してるからね。莉土りとちゃん手伝って貰おうかな。」

楓月は話題を切り替えるように莉土りとに話題をふる。


おおとり先生は楓月そうげつに耳打ちする「皆に2体の妖精が聖霊女王だとバレないように」と耳打ちしてきた。


(何で、そんなことを知っている?)

楓月そうげつおおとりを睨む。


「なら、俺は陽月と組むかデザート作りだな!」


莉土りとは陽月に近寄って耳打ちする「樹は基本的に何でも卒なくこなすけど、恋愛ことは無頓着だから積極的にアピールしなきゃ気づかないからね」と話すと楓月そうげつのもとに戻る。


陽月は顔を赤らめ作業をして莉土りとの言葉を振り切る。


まずは、集めた薔薇の花弁を丁寧に取り鍋に入れて砂糖と花弁を入れて煮詰めるドロドロになったら薔薇ジャムの出来上がり、そのジャムをゼラチンと混ぜて形は悪いが味は確かなものになった。

蜂蜜に薔薇の花弁を漬けて、ゼラチンで固める見た目も美しく、美味しそうな透明なドーム型に赤い薔薇が咲き美しくなった。


後は紅茶だ、楓月そうげつ莉土りとは手際が良かった、水の妖精で花弁を銀製のティーポットに水で浸して別に作った薔薇のジャムをカップの中に入れて濯ぐ。


「手際が良いわね楓月そうげつさすがお祖母様に気に入られているだけのことはあるわね」


莉土りとはティーカップを用意しながら楓月そうげつに話を振る


「あぁ!クララ婆ちゃんに仕込まれたからな」


クララとは、クロエ校長の昔からの友人で今はこの町でアロママッサージのプロで小さな店を開いている。


準備は整った後はブルーローズに採点を付けてもらうだけだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る