第7話 指輪物語を参考に表現力を磨いてみる
前回に続き、一週間で80ページしか読み進めていない(!)、指輪物語ネタです。
トールキンとは逆に、私は長文が苦手で、あっさりした文章しか書けないので、KAC7用に書いた「最高の一杯はいかが?」をサンプルとして、どこまで冗長に、ではなく、リアリティあふれる表現が出来るか、チャレンジしてみます。
◇元の文から抜粋
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スマホにセットしたアラームで、俺は起きた。
体がだるい。最近は、いくら寝ても疲れが取れず、スッキリとした目覚めとは縁がない。
朝食の準備をしようと冷凍庫を開けたところ、パンが切れていることが発覚した。しまった。節約のために自炊しているのに、パンを買い忘れた。しかたないので、どこかでモーニングを食べることにするか。
俺は、身支度をして、家を出た。チェーン店じゃ味気ないから、どこか個人でやっている店に入ろうと思いつつ、駅までの道を歩いていると、小洒落たコーヒーショップが目に入った。
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確かに我ながらあっさりしている、シンプル過ぎる。では、思いっきり冗長、じゃなくて、リアリティあふれる表現にリライトしてみる。
◇リアリティあふれる表現に改変したバージョン
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AM6:58にセットした、スマホのアラームで、俺は起きた。目覚めの曲は、お気に入りの「Wake Me Up Before You Go-Go」、この習慣は社会人になってから10年、ずっと変わらない。
しかし、曲名とはうらはらに、30を過ぎると体がだるい。最近は、いくら寝ても疲れが取れず、スッキリとした目覚めとは縁がない。ジムに通って肉体的に疲れさせたら睡眠が深くなるかとやってみたが、かえって疲れがたまるばかりで逆効果だった。流行りのホットヨガ教室にも通ってみたが、全く効果がない。まぁ、目の保養にはなったが。
朝食の準備をしようと冷凍庫を開けたところ、パンが切れていることが発覚した。しまった、お気に入りの、パスコの超熟を買うのを忘れていた! 他の市販のパンもいろいろ試したが、超熟にかなうものはない。このクオリティのものが、量産されてスーパーで安く売られているのだから、小さなベーカーリーは、ひとたまりもないだろう。この近くのベーカリーも、最近は、インスタ映えする派手なものばかり作って、シンプルでうまい食パンを食べようと思うと、結局、選択肢は、超熟一本となる。
超熟と言っても、国産小麦を使用している方は更に一味違う。若干、割高だが、それでも外で食べるよりも安いので、自炊派には究極の一枚だ。
しかし、まぁ、ないものはしかたないので、どこかでモーニングを食べることにするか。
俺は身支度をして家を出た。
こんな時、男は楽でいい。顔を洗って、歯を磨き、髭を剃れば終了だ。しかも、俺の会社は普段着OKなので、ポロシャツを着てジーンズを履くだけの、いわゆる全身ユニクロスタイルだ。その点、女性はたいへんだ。なんだかんだで、ほとんどの人が化粧をしている。電車の中でしている人もいるが、しかし、いったい、なぜそうまでして化粧をするのだろうか。
接客業であれば、ある程度の身だしなみは必要かもしれないが、社内で事務作業をするぐらいであれば、特に化粧なんかしなくてもいいんじゃないかと、俺なんかは思ってしまう。社内で、男を捕まえたいわけでもないだろう。まぁ、下手にそんなことを言ったら、最近だとセクハラとか言われてしまうから、間違っても口に出したりしないように注意しなければ。
俺の住んでるアパートは、一番近い最寄り駅から徒歩で15分ほどの場所にあるが、駅前は閑散としておりモーニングが食べられるような店は一軒もない。もう一つ別の駅は、歩いて25分ほどと、ちょっと距離があるが、古くからの商店街もあるので、何かしら店があるだろう。
普段使っている駅とは別の道を歩くと、見知らぬ景色が新鮮だ。もうすぐ桜の花が咲く時期で、蕾が膨らみ始めている。今年は、冬が短かったから、桜の開花時期も早まっており、来週あたりはこの辺りも人通りが多くなるだろう。
最初の大通りを渡ると、最近流行りのフルサービス型の喫茶店チェーンが目に入った。少し前までは無かったはずだが、客の入りもいい。名古屋発祥のチェーンなので、モーニングセットを頼むと、おにぎりやら、あんこトーストなどが無料で付いてくるのが売りだが、俺はちょっと苦手だ。喫茶店のモーニングと言えば、シンプルにホットコーヒーと、バターののっている厚切りトーストが一切れあればそれでいい。
更に歩くと、別に立ち飲みスタイルのチェーン店があったが、残念ながら喫煙可の店だ。朝からタバコの煙は、ちょっと勘弁して欲しい。
意外に無いものだな、今朝は朝食抜きかと、諦めていたところ、商店街の一角に小洒落たコーヒーショップが目に入った。木材を使った看板は、北欧の小さなカフェのようで、居心地の良い雰囲気を感じさせる。
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おぉ! なんという圧倒的なリアリティ! あたかも本当にいる人物が、実際に存在する街を歩いているように思える。
しかし、これは本当に自分が書きたい文章なのか? 本当に、読者が望んでいる文章なのか?
書くのが大変なことは身にしみたので、やっぱり、自分はトールキンとは別の道を歩こうと思います。
※トールキン風を目指しましたが、ただ長くて読みにくいだけの、なんか全然違ったスタイルになってしまいましたww。
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