「油断したら、すぐ日焼けしちゃうね」わたあめが言う。

「こまちゃんは日焼けしている女の子のこと、どう思う?」わたあめがこまを見つめる。

「日焼けしてないほうがいい? それとも、日焼けしているほうがいい?」

 わたあめはにやにやしている。

 それにわたあめは胸元の開いた服を着ていて、その大きな胸をこまに見せつけるような仕草をする。

 こまはそんなわたあめを見て顔を赤くして下を向く。

 それから手に持っていたコップに入っている麦茶を少しだけ飲む。

 それからこまは麦茶の入ったコップをテーブルの上に置くと、そのままその場を逃げ出すようにして、小走りで移動を始めた。

「こまちゃん。どこ行くの?」と後ろでみずあめの声がする。

「おじいさんのところに行ってきます」こまが返事をする。

 大きな二階建てのテントの前を通り、カラフルなにじ色をした気球の前を通り、泉の反対側まで移動すると、そこに木登すごろくの姿があった。

「おじいちゃん」

 こまはすごろくの胸に飛び込む。

「おお、どうしたんじゃい」笑顔のすごろくが言う。

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