検査前日_4
ホテルの食堂には既にかなりの隊員とフレンズ達が集まっていた。
「あ、セーバル!キョウ!こっちこっちー」
振り向くと、サーバルがテーブルから手を振っていた。
寝癖頭の隊長とアリサ、作戦で一緒だったフレンズ達も揃っている。
2席空いているところにセーバルと並んで座った。
「ルイスとリョウはまだ来てないのか?」
「ええ。あと博士達もまだ来てないわね」
「あの2人は真っ先に来てそうなのにね!」
無邪気に笑うサーバルに2つの影が忍び寄る。
「サーバルにだけは言われたくないのですよ」
「後で覚えておくですよ」
博士と助手がふわりと着地し、空いている席に座る。
「うわぁ!?いつからいたの!?」
「今来たところです」
「ちょっと熱が入ってしまって遅れたのです」
<<やー、間に合ったか。よかったよかった>>
ルイスも遅れてやってきた。
「あとはリョウだけか。誰かリョウを見たか?」
隊長が聞くが、全員首を横に振る。
「部屋にもいなかったよ?」
探しに行くべきか、と話している内に、奥から料理が運ばれてきた。
「あ、始まっちゃった…」
しかしこのテーブルに料理を運んできたのはリョウだった。
「調理場を貸してもらえないか頼みに行って、ついでに料理を手伝ってました。いい食材を使った自信作です。どうぞ召し上がれ!」
そう言って台車からテーブルへ、次々とお皿を置いていく。
きれいに盛り付けられた料理は、まるで高級ホテルのディナーのようだ…と思ったが、実際高級ホテルだった。
「僕もすぐ合流しますので、お先にどうぞ!」
「わかった。では遠慮なく…」
「「「「いただきまーす!」」」」
見た目に違わず、味は絶品。みんな目を輝かせて料理を食べる。
「おいしーい!」
「それは良かったです。まだまだあるのでどんどん食べて下さいね!」
フレンズ達の笑顔を見て、リョウもにっこりと笑う。
よくある大きいお皿にちょこんと料理が乗っている高級料理のイメージとは違い、割とがっつりと盛り付けてあったのだが、全員ペロリと食べてしまった。
「次の料理をお持ちいたしました」
タイミングよくスタッフが持ってきたのは、なんとラーメン。
先ほどの高級料理から一転、親しみやすい味がまた食欲を刺激する。
「ふぅ…食べた食べたぁー」
「あんたたち…すごいわね…」
「はぁ…おいしかったけど…食べ過ぎちゃいました…」
ラーメンの後にも様々な料理が運ばれてきたのだが、サーバルとセーバル、バリーたち猛獣組は平気な顔で平らげた。
しかしカラカルやアードウルフはだいぶ苦しそうな顔をしている。
そう言う自分も結構苦しいのだが…
「うむ、ごちそうさまだな。部屋に戻って休むとしよう。もう少し遊んでもいいが、夜更かしして寝坊はするなよ?」
「はーい!」
それぞれテーブルを離れていく。
「キョウはもう寝ちゃう?」
「ああ、明日は寝坊できないからな。明日はロビーで合流でいいか?」
「わかった。バリー達と一緒に行くから、待っててね?」
「了解」
セーバルとも別れ、自分の部屋に戻る。
ゲームコーナーでセーバルに貰ったぬいぐるみをソファーに並べてみた。
…なかなかカワイイじゃないか。
満足して部屋着に着替え、アラームをセットしてふかふかのベッドに横たわる。
明日の検査のことなどを気にする前に、眠りに落ちてしまった。
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