巨大セルリアン撃破_4
セルリアンの撃破を報せるアナウンスの後、船内は歓声に包まれていた。
「すごいすごーい!本当にやっつけちゃった!」
サーバルがピョンピョン跳ねる。
「これにて作戦完了だな。セントラルに戻ったらデブリーフィングがあるだろうが、それさえ終われば自由時間になるはずだ。みんな、何がしたいか考えておくんだぞ?」
隊長はそう言うと、指令室の方へ歩いて行った。
「えへへー、楽しみだなぁ」
「セーバルも楽しみ」
サーバルとセーバルが緩み切った表情をしている。
「キョウ、最初は何をするか決めた?」
「いや、まだだな。カラカルはもう決めたのか?」
「いいえ。というか、私はサーバル達についていくから、特に決めてないのよね。スタッフにカメラを貸してもらいたいくらいかしら」
<カラカルさん、カメラなら私が持っていますよ!しばらくお貸ししますので、その代わり…ごにょごにょ…>
「…わかったわ。任せて」
<では、そういうことで!>
ヒトの耳では聞き取れなかったが、何らかの交渉が行われたようだった。
<それと、キョウさん。本当に申し訳ないのですが、自由時間の初日はラボで検査を受けていただかなくてはなりません…>
おそらくあの弾の件だろう。
「わかりました」
「ありゃ、キョウ、初日は遊べないのね」
<なるべく早く終わるようにしますので!終わり次第皆さんと合流していただいて大丈夫です!>
「キョウがいない間、サーバル達の写真をいっぱい撮っておくわ」
「はは、ほどほどにな?」
初日から遊べないのは少し残念だが、まあ仕方ないだろう。
「その検査はラボで行うのですか?」
後ろからミミちゃん助手がにゅっと顔を出す。
<はい、そうですよ!あ、お二人もラボを使うんでしたね>
「空いた時間は我々が付き合ってやるのです。ルイス、お前も来るのですよ」
「バスのことを教えてやるです。ジャングルで言った『対価』も貰います」
<<おお!喜んで行くぜ!!>>
こうしてルイスも初日はラボに行くことになった。
「あの…僕も初日はスタッフさんにお願いしたいことがあるので、別行動させていただきます」
「えー!?リョウも!?」
「あらあら、みんな別行動じゃない」
結局、アルファチームの隊員はアリサと隊長を残して別行動になってしまった。
<あ、先ほどカコ博士から連絡がありまして、ジャングルでガオガオ病に罹ってしまったフレンズさんもラボで検査があるみたいです>
「じゃあセーバルもだね」
セーバルに加え、バリーとブラックジャガーとホワイトタイガーが離脱。
「うーん、どうしよう?ねえ、トラぁ~」
「なんで私に聞くのよ…」
部屋の隅の方にいたトラが困った顔をする。
「…みんなで遊ぶのは後にして、セントラルでショッピングでもしたらどう?」
「それが良さそうね。あなたたち、あんまりショッピングとか興味ないでしょ?」
アリサが別行動の男性陣に向けて言う。
「まあ、それほどではないな。映画とかなら気になるが」
「僕もそれほど…調味料なんかはちょっと興味ありますけど」
<<機械の部品とか売ってる?>>
「ね?隊長には荷物を持ってもらって、ショッピングを楽しみましょ?」
「うん、そうだね!」
船の中で、初日の予定は大体決まったようだ。
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