同級生の援助交際現場を見てしまう話
縁側紅茶
同級生の援助交際現場を見てしまう話
//シナリオ開始。
CG01「学校校庭_夜」
男子生徒A(17)「じゃあな! また明日!」▼
井上智紀(16)「お疲れ様です!」▼
校庭からも見えるように、背の高い柱に支持されている屋外時計がある。▼
見ると、針は夜8時を回っていた。▼
智紀「・・・・・・ふぅ」▼
サッカー部員として活動して、今日が一番練習時間が長かった・・・・・・。▼
俺の基礎体力不足で全体に迷惑をかけ、尻拭いをさせてしまったのが主な原因だが。▼
顧問に目をつけられたのが運の尽きだった。▼
みんな俺に気を使って優しい言葉をかけてくれるが、プレイで内心不満だらけなのは俺でも分かった。▼
智紀「・・・・・・もう潮時かな」▼
CG02「住宅街_夜」
中学時代もサッカー部に加入していたが、あの頃は素人の集まりで、
自由なカタチでサッカーを楽しみ、コミュニケーションを取ることが目的だった。▼
高校もそのつもりで入部してみると、全員ギラギラとした目で本気でサッカーをし、自分の能力を発揮すること、
競い勝つことが目的で、プロを目指している者までいた。▼
それを悪くは思わないが、俺がサッカーをする目的とは大きくズレがあった。▼
多分、あそこは俺の行くべき場所じゃなかったんだ。▼
智紀「・・・・・・はぁ。サッカーつまんなくなってきたなぁ」▼
CG03「商店街_夜」
つくづく自宅の遠さに嫌になる。▼
体力に見合わない過度な運動で、身体の節々が軋む。▼
自転車が欲しくなるが、生憎つい最近盗まれたばかりだ。▼
智紀「ん? アレ、A組の橘か?」▼
ネオン管の怪しい光の中、テラテラと光を反射させカラフルになった高級車が停まっている。▼
そこには、車で遮られ顔がようやく見える程度だが、若い女性と肥えた中年男性が立ち話をしている。▼
CG04「援助交際現場」
智紀「やっぱ橘だな。うちの制服着てるし」▼
こんな時間に何してるのかと思ったが、目的はすぐに分かった。▼
目を凝らしてみると、橘たちの後ろにある店、ラブホテルだ。▼
通学でよく通る道だが、まさかラブホテルがあるとは思ってもいなかった。▼
智紀「ヤなもん見ちゃったな・・・・・・」▼
橘と中年男は周りの目など気にせず、まだ立ち話をしている。▼
車で全て隠せているとでも思っているのだろうか・・・・・・。
誰かに通報されてもおかしくない絵面だぞ。▼
智紀「・・・・・・・・・・・・。
早く行ってくれねぇかな・・・・・・」▼
この商店街を突っ切らないと家に帰れない。▼
ただでさえすぐに帰りたいってのに、他のルートなんて行ったら、
知らないから更に時間がかかっちまう。▼
CG03「商店街_夜」
智紀「・・・・・・ゆっくり通り過ぎればバレないだろ」▼
結局、無理矢理自分を納得させる形で、このまま進むことにした。▼
つま先歩きで、出来るだけ音をたてないように商店街の端を歩いていく。▼
今、女子高生と中年男が談笑している絵面と、商店街を泥棒のように進む男、
どちらの方が怪しく見えるのだろうか。▼
・・・・・・俺は悪いことしてないのに、どうしてこんな苦労をしているのだろう。▼
このままスポットライトで照らされ、銃声が聞こえたなら、
何処かの怪盗何世ばりのアクションで逃げることになるだろう。▼
SE01「エンジン始動、アイドリング」
唐突に横から、エンジンがかかる音が聞こえた。▼
嫌な予感がしつつ横目で見ると、2人を隠していたはずの黒い高級車は振動を繰り返し、
既に走り出す準備が完了している。▼
橘美姫(16)「うん、ありがとパパ! じゃあね!」▼
SE02「車_走行音」
俺と橘を分け隔てていた黒い壁は呼吸を早め、ゆっくりとタイヤを回し始めた。▼
同時に、そこに制服を着た華奢な女体が現れ始める。▼
立ち絵01「橘美姫_驚き」
すっかり片足立ちのまま固まってしまった俺を動かしたのは、段々と大きくなる甲高い声だった。▼
美姫「――えっ。ぁっ、ああああああぁぁぁあああああああ!!!!」▼
智紀「――! な、何も見てないから! じゃ!」▼ //立ち絵フェードアウト。
重く動こうとしない脚にムチを打ち、不格好に走り出す。▼
いつもより数段遅く走っているだろうが、橘に追いつかれる気配は無かった。▼
ただ、数km先にも聞こえたんじゃないかと感じるほどの大声で、▼
美姫「何もしてない!! 何でもないからああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」▼
と、女子とは思えない叫びが聞こえた。▼
CG05「学校校庭_昼」
サッカー部の朝練は自主参加だった。
しかし、顧問もつくためスターティングメンバーになりたい部員はほぼ強制参加だった。▼
俺はというと入部後しばらくは毎回参加していたが、サッカーへの意欲が無くなり始めて以来、
全く参加していない。▼
今日も文化部の他生徒と同じ時間に登校した。▼
CG06「学校昇降口_昼」
SE03「生徒ガヤ」
昇降口がやけに騒がしい。▼
時刻を確認すると、ホームルームまでそんなに余裕があるわけでもない。
教室で騒いでおけばいいのに、どうしたのだろう。▼
女子生徒A「美姫さんじゃん・・・・・・。何でこんなところにずっといるのかな」▼
女子生徒B「誰か待ってるのかな。それにしても今日もキレイ~」▼
男子生徒B「美姫マジかわいいな。声かけてもいいかな・・・・・・」▼
男子生徒C「朝イチで美姫ちゃんの美貌見れるとか、今日はツイてるぜ」▼
下駄箱に靴をしまいながら、どうしても興味が湧いてしまい、耳を傾けていた。▼
どうも橘美姫のことで騒いでいるらしい。▼
俺自身はあまり興味はないが、
橘美姫は持ち前の美貌と、清楚を体現したような仕草と性格で生徒、教師に絶大な人気を得ているようだった。▼
智紀「あっそういや昨日、橘と会ったな」▼
他生徒にベラベラ自慢できる内容ではなかったが、昨日の出来事を思い出した。▼
自宅でゆっくり寝て、すっかり橘のことが頭から抜けていた。▼
正直、同学年の女子が援助交際していようが俺には特に関係ない。
今は何よりもサッカー部を続けるか、退部するかの選択のほうが重要なんだ・・・・・・。▼
上履きに替え、教室へ向かおうとした。▼
CG07「学校廊下_昼」
美姫「あっお前!! 待てっ!!」▼
背後から、昨日の夜聞いたばかりの怒鳴り声が聞こえた。▼
振り返ると、
これまた昨日見たばかりの女子が目の前に立っている。▼
立ち絵02「橘美姫_怒り」
美姫「おい、昨日のこと・・・・・・誰かに言ったか?」▼
智紀「・・・・・・え? 俺?」▼
美姫「お前以外に誰がいる!!」▼
すっとぼけて逃げようとしたが、この様子だと昨日のことについて言及したいらしい。▼
全く興味ないのだが。▼
女子生徒B「え? 美姫さん怒ってる? あの美姫さんが?」▼ //立ち絵非表示。
男子生徒B「マジかよ。美姫が怒ってるとこなんて初めて見たぜ。▼
あの間抜け、美姫を怒らせるとどうなるか知らねぇのか!
美姫は300年以上も続いているヤクザの令嬢として――――」▼
美姫「――ッチ! こっち来い!!」▼ //立ち絵表示。
智紀「ぐぇっ! おい引っ張るなって」▼ //立ち絵非表示。
男子生徒C「あーぁ、ありゃ・・・・・・『ヤキ』だな」▼
CG08「学校階段_昼」
智紀「っおい! もういいだろ離せよ」▼
制服の襟をぐしゃぐしゃに掴まれ、階段の隅へと押し付けられた。▼
この女と出会ってから、噂に聞く清楚さは微塵も感じられないが、囲いはどこ見て言ってんだ?▼
立ち絵02「橘美姫_怒り」
美姫「誰かに言ったのか」▼
智紀「言ってないよ! 何なら全く興味ない! 話のネタにもできない内容じゃないか」▼
美姫「いいや、そう言ってそこかしこに吹聴して回るんだろ!」▼
智紀「しないって! そんなに口軽くないから!」▼
美姫「いいや信用ならない!」▼
智紀「信用って言われたってなぁ・・・・・・。
俺はお前に興味ない。ってことでいいだろ?」▼
美姫「興味ないわけない! この私に!
百歩譲って興味無かったとしても、人の不幸を面白おかしく広めるのがお前らだ!」▼
智紀「そんなこと言われても・・・・・・。
でも本当に俺にとっては、知ったこっちゃない内容なんだよ」▼
美姫「・・・・・・何かすればいいのか!? 何でも言うこと聞くよ! だから本当に言わないで!」
智紀「いやいや何もしなくていい。広めたりしないから――」▼
美姫「信用ならない。
分かるでしょ? あんなこと広められたら、折角築いた私の地位がパーなんだよ!」▼
智紀「分かったから! もうホームルーム始まるぞ。
その地位を遅刻で傷つけていいのか?」▼
腕時計を橘の眼前に差し出した。▼
美姫「・・・・・・っぐ。まだ話は終わってないからな! すぐにまたお前のもとに向かうからな!」▼
そう言い残し、橘はそそくさと階段を降りていった。▼ //立ち絵非表示。
智紀「・・・・・・はぁぁ~」▼
残された俺はぐちゃぐちゃになった制服を直しながら、
最悪な1日の始まり方を嘆いていた。▼
・・・・・・・・・・・・。▼
・・・・・・。▼
CG09「学校廊下_夕」
普段は何気なく終わる授業が、今日は1分1秒が長く濃厚に感じた。▼
こんな疲労感は初めてだ。頭がクラクラする。▼
立ち絵02「橘美姫_怒り」
美姫「おい!・・・・・・どこ行くの」▼
主にこの女子のせいなのだが。▼
朝から大事に巻き込まれ、教室に戻ってみればクラス全員から注目の的に。▼
ヤクザにちょっかいかけて怒らせたとか、橘にストーカーしてたとか。
もうそれはそれは凄まじい妄想の嵐の中に叩き込まれた。▼
極めつけに、橘は授業終わりの小休憩時間にクラスまで来て、遠目に俺を監視し始めたのだ。▼
それも、1つの授業が終わった瞬間に毎回。▼
このせいで橘との交際疑惑まで囁かれ、ファンクラブ会員と思しき生徒から常に睨まれていた。▼
智紀「部活だよ」▼
美姫「部活ぅ? 今日は休めよ」▼
智紀「はぁ? そうもいかないんだよ、みんなにサボりと思われちまう・・・・・・」▼
美姫「行かせないよ。部活なんて行ったら、あのこと吹聴してるか確認できないじゃない」▼
智紀「だから、広めたりしないって。
お前のせいで部活前だってのにすげぇ疲れてるんだぞ。ほんとは行きたくないのに・・・・・・」▼
美姫「じゃ行かなきゃいいじゃん」▼
智紀「お前・・・・・・・・・・・・。でも確かに」▼
別に部活は強制参加ではないから、橘の言うことは正論ではあったが、それ以上に組織ってものがある。▼
サボれば部員からは多少なりとも軽蔑されるし、顧問からの信頼も無くす。▼
でも・・・・・・あそこは俺の居場所ではないのだ。▼
そこでの信頼なんて何の役にも立たない。▼
智紀「橘は部活、何やってるんだ?」▼
立ち絵03「橘美姫_ナチュラル」
美姫「私はやってないよ」▼
智紀「えっ? この学校部活は強制入部のはずだぞ」▼
美姫「・・・・・・昨日見たでしょ。私は免除させてもらってるのよ」▼
智紀「あっ! あぁ~~。そういうことか。
・・・・・・てかそんなに切羽詰まってんのか。てっきり遊びのためかと」▼
立ち絵02「橘美姫_怒り」
美姫「っ!! そんなわけないでしょ!!
私はそんなに軽くない!! 昨日だってあんなこと初めてだった!」▼
智紀「悪い。怒らせるつもりじゃ・・・・・・」▼
美姫「やっぱり信用ならない。あんたの連絡先教えて」▼
智紀「連絡先? 何でだよ」▼
美姫「帰ったら、何言うか分かったものじゃない。
家に着いたら、寝るまで私と通話して」▼
智紀「は、はぁ!? おいおい、限度ってもんがあるだろ。
流石にそこまでは――――」▼
立ち絵03「橘美姫_ナチュラル」
美姫「誰もずっとあんたと口利いていたいなんて言ってない。
通話の状態で放置してくれればいい。私がそれ聞いて判断する」▼
智紀「だからそれは流石にプライバシーのし――――」▼
美姫「いいから寄越して」▼
こんな強引で人の話もロクに聞かない女子がなぜ人気なんだ。▼
綺麗な上っ面だけ見て判断してるとしたら、みんな見る目がない。教師までもだ。▼
スマートフォンを渡し、強いられるがままに連絡先を交換した。▼
美姫「で、これからどうすんの」▼
智紀「・・・・・・・・・・・・どうするも、もう帰るよ」▼
美姫「そう。家までついていくから」▼
智紀「そう言うと思ってた」▼
CG10「住宅街_夕」
立ち絵03「橘美姫_ナチュラル」
互いにほぼ沈黙した状態で、俺が先頭を歩き、その少し後ろを橘がついてくるという不自然な陣で下校していた。▼
俺らを怪しむように見てくる生徒もいたが、カップルとは思えない歩き方に首を傾げ、
どういう状況か検討がついていないようだった。▼
智紀「・・・・・・橘の家、そんなに厳しい状況なのか?」▼
沈黙を破り、どうしても気にかかることをできるだけオブラートに包んだつもりで言った。▼
美姫「ええ。おかげさまで」▼
智紀「いや俺は何もしてないんだけど・・・・・・」▼
分かっちゃいたが、つっけんどんにあしらわれた。▼
援助交際。▼
実際にどこまでするのかは分からないが、自らを売ったことには変わりはない。▼
少し接して分かったが、かなりプライドの高い女子だ。
ファンクラブもあり、常に男子は橘の足下にいる。▼
そんな橘が喜んで身を売るとは思えない。それほどまでに追い詰められているのだろう。▼
立ち絵04「橘美姫_悲しみ」
美姫「・・・・・・・・・・・・父親が莫大な借金を抱えてた」▼
智紀「・・・・・・っ!」▼
返答を期待していなかったため少し驚かされた。
そんな俺をよそに、橘は語り始める。▼
美姫「自分じゃ返済し切れないと悟った父は自殺した。▼
そして取り残された私と母親のもとに、借金が回ってきた。▼
母は働いて返済に努めていたけど、頑張りすぎて今は身体を壊してる。▼
だから私がアルバイトで稼いでたけど、それだけじゃ足りなくて、あんなことを。
・・・・・・簡単に言うとこんなとこ」▼
覚悟していた内容より数倍重く、正直返答に困った。▼
まるでドラマみたいだなと軽い気持ちで思ってしまったが、そんな軽い出来事じゃない。▼
でもこれで決心いった。▼
少し考えていた案があったのだ。
橘の今の告白を聞いて、確実に動ける内容だという確信がもてた。▼
美姫「別に同情が欲しいんじゃない。
これを聞いて言いふらさないって決断しても信用で――――」▼
智紀「良い案がある。聞いてくれ」▼
CG11「ファミレス_夜」
あれから・・・・・・かれこれ1週間は経っただろうか。▼
今、俺は部活には無所属で、学校から遠いファミレスでアルバイトをしている。▼
何で無所属になれたかと言うと、褒められたことではないが、、
『俺の親が離婚し、橘の親と再婚して、借金を肩代わりすることになった』という体にしておいた。▼
ここまでプライベートな内容になると教師も深く入り込めない。▼
これで俺は晴れて部活から解放され、橘は望み通り俺を1日中監視することができる。▼
あと、少し橘の環境のことが気にかかり・・・・・・▼
立ち絵05「橘美姫バイト_不安」
美姫「ねぇ、ほんとにいいの?」▼
智紀「何が?」▼
美姫「あの・・・・・・智紀のきゅ、給料山分けって・・・・・・」▼
智紀「いいよいいよ。これは同情でも何でもない。お礼」▼
美姫「お礼?」▼
智紀「あぁ、部活辞める理由を橘に作ってもらっちゃったし。
それで部活の疲れと共に、月の高額な部費徴収も無くなったんだ。▼
給料山分けしても、俺にとっては余裕でプラスだよ」▼
美姫「そっ、そう?
ありがとう。智紀は意外と良い奴だよね・・・・・・」▼
智紀「おっ、例のこと広めるような奴じゃないって信用してくれた?」▼
立ち絵06「橘美姫バイト_怒り」
美姫「おい! あまり口に出すなって。▼
・・・・・・やっぱり信用ならない。毎日の通話はやめないから」▼
店員A「おーい新人2人! 喋ってないでこっち手伝って~」▼
立ち絵07「橘美姫バイト_驚き」
智紀「やべっ、は~い今行きまーす」▼
美姫「私もすぐ行きます!」▼
CG02「住宅街_夜」
同じアルバイトを始めてからは、帰りに橘の家に寄るようにしている。▼
橘の母親にも許可をもらって、料理をご馳走になったり、俺が料理を振る舞うこともあった。▼
そうして帰りはいつも夜10時頃になる。
この生活を続けていると、いつか部活を辞めたことが両親にバレるだろう。▼
でも、今はそんなことどうでもいいくらい、満ちた生活をしていた。▼
立ち絵03「橘美姫_ナチュラル」
美姫「今日もごめんね、引き止めちゃって」▼
智紀「いいよいいよ。橘ん家でする食事のほうが楽しいから」▼
美姫「智紀の家、両親の仲悪いの?」▼
智紀「まぁね、でもよくいるただ仲悪いだけの家庭だよ。
じゃ、また明日な」▼
美姫「待って! 少し話したい。
・・・・・・ちょっと歩こうよ」▼
俺たちは初対面の頃よりも数十倍仲が良くなった。▼
学校では橘の鋭い眼差しの監視は無くなり、互いに屋上や図書館で密かに会う程度に収まっていた。▼
帰宅してからの通話も、盗聴の色はなくなり、他愛もない会話をすることが多くなった。▼
SE04「歩行音」 // 2人分。
美姫「こんなこと言うと失礼かもしれないけど、
私、男子でこんなに接しやすい人がいると思わなかった」▼
智紀「はは、ありがとう」▼
普段はアイドルのように可愛がられ、讃えられている橘ならそうだろう。▼
俺だってあの現場にいなけりゃ、みんなと大して変わらない感情だったと思う。▼
美姫「私、智紀のこと好きだな。
・・・・・・どう解釈してもらっても構わないけど。▼
ただ、私はずっと智紀のことは忘れられないだろうし、しばらく仲良くしてほしい」▼
・・・・・・。▼
こんなことを言うのも、俺の前でだけだろう。▼
あんまり恥ずかしいセリフを言うもんだから、逆に俺が赤面しそうになる。▼
でも、思うことは同じだった。▼
智紀「俺で良けりゃ、しばらく側にいさせてもらうよ」▼
橘から目を逸らし、挙げ句声も上擦ってしまった。▼
橘はその様子を苦笑気味に眺めている。▼
智紀「っさ、帰ろうぜ。あんま遅いと母親に怪しまれんぞ」▼
立ち絵08「橘美姫_笑顔」
美姫「誤魔化し方、下手」▼ //立ち絵非表示。
・・・・・・・・・・・・。▼
・・・・・・。▼
2人でだらしなく微笑みながら、道を分かれる。▼ //立ち絵再表示。
美姫「じゃあね、気をつけて」▼
智紀「ああ、じゃ・・・・・・おやすみ」▼
美姫「おやすみ」▼
積み上げられた問題は、とても簡単には崩せそうにもなかったけど、
今までで感じたことのない幸せを感じられる橘との数時間。▼
そのためなら問題が片付くまでずっと、橘を支えていくのも悪くないなと思った。▼
//シナリオ終了
同級生の援助交際現場を見てしまう話 縁側紅茶 @ERG_Engawa
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