第5話 持たねば、目的!
ここ最近私がやっている分析っていうのは、
「とにかくたくさんの作品からデータを収集する」
っていうところに重点を置いていました。
ビッグデータと言うほどじゃないですけども、
100作品とか200作品とかを客観的に比較するっていうのは
人間にはできないことです。
でも計量テキスト分析ならそれができる!
って部分で「計量テキスト分析の価値」を見出そうとしたわけですね。
計量テキスト分析はこんなに素晴らしいんだぞぅ!!
↓
キャー、凄い!私も計量テキスト分析やってみようかしら!
↓
やる人が増えると、中には凄く詳しくなる人も登場する
↓
その人からノウハウを輸入することで、私は努力せずに分析の腕を磨ける
こういう完璧なプランがあったわけです。
私もやってみようかしら、にすら全然至っていない時点で少しも完璧じゃないですけど。
布教するのへたくそすぎて、我が事ながら驚愕の一言ですけど。
とにかくまぁ、
そういうアピールのために300作品ぐらいのデータを分析にかけるってことをしていました。
すると、
「300作品分のデータをいかに集めるか?」
ってところも必然的に課題になります。
普通にコピペしてたら時間はかかるし指は腱鞘炎まっしぐらです。
「指が痛くなってきたから、気分転換に小説でも書くかぁ~。ってタイピングするだけでも痛いわ!!」
って感じになるので、痛いのはマジで嫌です。
ツールを自作していたのはその作業の負担を軽減するためでした。
そういった感じでやっていたわけなんですけども、
それ以上の目的が存在していなかったんですね。
なので、文章データを集める部分では効率化がどんどん進む一方で、
「いかに分析をしていけばよいのか?」
って部分はおろそかになっているままです。
計量テキスト分析をする目的は、
客観的に文章を分析することで他人の優れた技術をパクり、自分の小説を磨くことにあります。
パクれる技術は、パクればいい。
というのが私の価値観です。
パクれる技術っていうのは、
もうちょっと前向きな言い方をすれば、
「共有できる技術」なんです。
ちょっと言い換えただけで、凄く綺麗な響きになりましたよね?
そうです、これは美しい行いなのです。(真顔)
いやいや、本当にジョークではないのです。
ウェブ小説に投稿する方々には、小説を書き慣れていない人も多数います。
アイデアや題材は素晴らしいのだけど、小説の技術が足りなくて損をしている。
あるいは、人気の出やすい書き方を知らなくて損をしている。
そんな人だっていると思うんですね。
パクれる技術もとい「共有できる技術」が充実していれば、
そういった人たちが頭角を現しやすくなるはずです。
計量テキスト分析は、その「パクれる技術」の範囲を広げてくれるものです。
だけども、
「300作品ぐらいをまとめて分析できるぞ!」
みたいなアピールをすることばかりに意識が向いて、分析を活用する方向に行けていませんでした。
最近モチベーションが上がらないし、やっている分析もどこか手応えないなぁ。
と漠然と感じていた原因は、そこらにあるのかなという考えに至りました。
なのでしばらくは自分自身の文章を磨くことを目的に置いて、
大量のデータを分析みたいなことはやめてみます。
最後に、
パクれる技術の話についてもう少し掘り下げさせてください。
パクれる技術とは、
「方法や理屈がシンプルであること」
が非常に重要だと考えています。
複雑すぎる方法は、真似をする前にやる気が無くなります。
ですから、
可能な限り簡単に実践できるように環境を整えてあげるところも含めて「パクれる技術」である
というのが私の考えです。
たとえばプロットを作るのは大事だよって言うだけじゃなくて、
それを簡単に実践できるテンプレートもきちんと作ってあげることが大切だと思うんです。
そして、その手法を取るべき根拠もシンプルであった方が良いです。
・どうしてその方法を取るのか?
・それによってどんなメリットが得られるのか?(=どんな小説を書きたい人のための技術なのか?)
といったことが明確でなければ、実用性が薄まります。
根拠を理解できなければ、効果は低下します。
誤った使い方をしてしまうと、無駄な手間を増やしたり逆効果になったりすることも考えられます。
そして技術が共有されるにしたがって「はずれ」の小説は減ります。
それでも、まだパクれない部分もあるわけです。
私はその「パクれない部分」に創作の価値があると思っています。
私の言いたい創作の価値というのは、
たくさんの人が創作活動をする価値です。
全部が全部完璧に真似できることだと言うのなら、
この世界に必要な作家の人数はそう多くはありません。
でもそうじゃない。
他人には真似できないこと、思い付かないアイデアもきっとある。
だからこそ、一人でも多くの人が創作活動に踏み出すことに価値がある。
というのが創作活動に対する私の信仰です。
なので「パクれる技術」が大事なのです。
そして、
「どの作品もちゃんと読めるし、どこかしら面白い部分はあるよね」
って感じになった時。
読者や小説投稿サイトは、それぞれの小説のどんなところに注目をするのか?
なにに期待をするのか?
その世界を私は見てみたいなー、って思っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます