きみの中に楽しさっていうのはあるかい?
@t-takuro
第1話 カズマ
入社式が行われている。カズマは今日から新社会人になった。それは、地元の銀行に就職できたからだ。カズマは人付き合いは苦手だが数字には強かった。そのため銀行か証券会社のどちらかの仕事に就きたいと思っていた。証券会社からどこも内定をもらえなかったため、銀行に就職した。地元の銀行には昔からの知り合いがいて、彼から紹介してもらった。どうやらカズマは証券会社には向いてなかったようだ。
入社式は社長やら会長やらひげを蓄えたお偉いさんの話をボケーっときいていたら終わっていた。終わると、カズマたち新入社員は会議室のようなところに集められた。仕事のオリエンテーションだ。出勤したら社員証をカードリーダーに読み込ませることや社訓などいろいろ教わり、30分くらいしてオリエンテーションは終わった。昼休憩だ。
「んーっ、んああぁ」
カズマは両腕を上にあげ、伸びをすると自然に声が漏れた。今までスーツを着て緊張するなんてことはなかったし、ずっと話を聞いてばかりで疲れた。この後は新入社員たちは社員食堂にいくようだ。カズマもみんなと一緒についていき昼食をとることにした。向かっているとき同期が声をかけてきた。
「食堂行かれます?良かったら一緒に食べません?」元ラグビー部といわんばかりの大柄で短髪の人当たりのよさそうな彼だ。「いいですよ。」カズマは人見知りをしてしまう性格がでてしまって愛想が悪い返事をしてしまった。学生時代もこの性格が災いして、うまく思いを伝えられないことが多々あったが同期の彼は「よかった~。一人でご飯を食べたくなかったんですよ。」「ああ、確かにそうですよよね。僕も一人はちょっとね。」なんともぎこちない会話をしつつ食堂についた。
食堂に入ると「日替わり定食」と書かれた看板を見つけた。アジフライ定食だ。
「食堂っていっても日替わり定食だけなんですね。」券売機で食券を買いながらカズマに話しかけた。財布から680円をだして「確かにそうですよね。カレーとかほしいところです。」と食券を取り出した。
流れ作業で出来上がっていくアジフライ定食を受け取り、空いてる席に座った。
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