いくらお世話になったからって……

 2019年4月24日水曜日。

 母と施工屋について述べる。

 まず、母がすぐに施工屋を「恐喝まがい」「脅された」と断定しかねていたのには訳がある。

 母はこれまで、何かと言えば施工屋に世話になってきた。

 仕事はああだけど、注文つければ寸法も直してくれるし、ちゃんと言えばわかってくれる相手だと思ってきたのだ。

 実際は施工屋は顧客が減っていて、信用がなくなったので、顧客から前金を払ってもらわねば施工の材料費にも事欠くようになっていたのだ。

 顧客が減ったというのには、ちゃんと理由があるように思う。


 まず母が施工屋と関わるようになったのは、役所の掲示板に施工屋の宣伝が載っていたからである。(2011年5月頃)

 次に、相見積もりをとっている段階で、いち早く見積もりを出してきて猛烈アピールしてきたそうである。

 例として、はがれたベニヤの壁をさっと直して「仕事をうちに」と熱心だったという。

 そういう営業が得意なのが、一会社の社長なのだと、一応解釈はできる。

 他に安くしてくれるところもなく、母はなにかと「仕事をうちに」と言ってくるこちらの施工屋を頼みにしてきてしまった。

 実際は毎回のように、注文とは異なる寸法の材料を買ってきたりして、いちいち顧客が口をはさまねば、いい加減な仕事のまま、お金だけ吸いとっていく業者だった。

 例として、栃木に住む父が、小屋をつくる際に寸法違いの材木や窓ガラスを持ってこられて大変困ったが、父は材木をのこぎりで切ったり、小屋の窓の方をガラスに寸法を合わせて間に合わせた。

 本来、このような仕事で、顧客が満足いくはずがない。

 そこが顧客満足度の低い施工屋なので、母の話を聞いてきて、こちらの施工屋の顧客が減るのも無理はないと、筆者は思った。


 父は「業者なんてあんなものだ」とあきらめ、そこが人がいいのだと母はいうが、母はええかっこしいである。

 施工屋に「仕事をあげている」というつもりでいるので、注文を付けるのにも力が入る。

「お金を払うんだから、納得のいく仕事をしてほしい」

 というが、それなら仕事のきちんとした他の業者を頼めばよかったのだ。

 これが母の弱みだ。

 彼女の「仕事をあげている」意識が、「こんなに尽くしているのだから、顧客をもっと丁寧に扱うべき」という態度になりがちなのは仕方がないとは思う。

 しかし、2019年の2月28日から4月23日までに、母のスマホに50通近くのショートメールを送り付けて来たのにはびっくりだ。

 記録を見ると、夜中のうちに5通もよこしている。

 こちらは、朝見て驚く。

 顧客に対する態度としては、限度を超えているであろう。

 これが彼氏のすることだったとしても、逸した行為だと思う。

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