わたくしの好きなもの

 やっぱり家族かな。

 親戚の男の子とかが、魔のイヤイヤ期に入って、ママの言うことに全力であらがう姿が楽しい。

 言い方にも個性があり、「ナイッ!」という子や首振りで示す子や「やぁだぁ!」という子がいるのだが、全然イヤイヤしない子もいて、それはそれで心配である。


 なにを隠そう、わたくしもイヤイヤ期がなかった。

 そういう子供は大人になっていかなければならないときに、壁に当たる。

 他の人が経験しないような、分厚い壁に。

 要は気が優しすぎるのである。

 まあ、わたくしを身内だと思っていないので猫をかぶっている可能性はあるが。


 その子は、ちっちゃい、キレイな小石やかわいいものが好きで、幼稚園では女の子とおままごとをするのが大すきな男の子である。

 そしてカッコイイと言われるよりかわいいと表現されることを望む。

 ええい、わからん。

 なにか、複雑にさせられる。


 一方でとても男らしいところがあり、それは女の子が大好きということ。

 手間暇かけて、紙とビーズで造った指輪を、幼稚園で好きな女の子にプレゼントしていたという。

 一番目に好きな女の子と、二番目に好きな女の子に。

 そしてマメに尽くした結果として、バレンタインデーにチョコレートをたくさんもらっていた。

 マメでソフトな男の子は、やはり好かれるのである。


 まあ、わたくしは親族ならともかくとして、あまりにマメすぎてあちこちの女の子にちょっかいをかける男子は好きでない。

 節操のないところが不実に見える。

 チャラ男に育たないことを願うばかりだ。

(あなたは男前なんだから、でれりんこでれりんこ、しないように気をつけて欲しい)

 ママにだけ見せるオレ様なところは、三つ子の魂百までということで、死ぬまでああだろうとは思う。


 やっぱり、子供はかわいいよ。

 ときには厳しいことも言うママだが、しっかりしつけてるママをほめたたえてあげたい。

 あなたはご両親の自慢の子だよ、とわたくしはずーっと思っている。

 かわいいかわいい。

 家庭を持つのは大変だろうけれど、子供と一緒に生きていけるのならば、それはなんということもない犠牲だと思う。


 あ! わたくしかわいいものが好きだ。

 発見! 自分ミステリー!

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