『<妖界ナビ・ルナ①>解かれた封印』の逆プロット
作:池田美代子 画:琴月綾 2004年3月初版発行
フォア文庫 岩崎書店
この物語は、愛され女子のルナが、超能力にめざめ、妖怪たちをこらしめていく第一の物語です。
*登場人物*
竜堂ルナ(りんどう るな・女・小学四年生)……ヒロイン。伝説の子と呼ばれる超能力者だが、その力は封印されている。首の後ろにあざがある。運動が苦手。
スネリ(???)……お助け妖怪。姿を消したり、人間に変身したりできる。他、たくさんの妖力をもつ。頼りがいがあるが、体力は少ない。普段は白猫に変身している。
もっけ(???)……お助け妖怪。超聴力と高知能。鋭い爪で戦う。普段はふくろうに変身している。
かまち(???)……妖界から悠久の球を狙ってきた。凶暴で風の刃をつくり出し、自由自在に操れる。
サエ(さえ・女・小学四年生)……ルナをいじめる娘。だが、過去にはいじめられていたルナを庇い続けてくれていた親友だった。
*補足*
悠久の球(ゆうきゅうのたま)……不思議な力を持つ球で、妖怪が狙ってくる。
伝説の子(でんせつのこ)……悠久の球のありかを知っているらしい。
*あらすじ*
星の子学園の子供として育った竜堂ルナ(小学四年生)は、運動が苦手だけれど、学園の給食メニューを当てるのが特技な、とてもやさしい女の子。みんなに愛されていて、おかげで幼馴染のサエから冷たくされている。サエはルナのように愛されたくて、でも叶わないので嫉妬している。ルナはそんなサエでも、いつかは元通りの親友に戻れると信じている。
ルナが学園に置き去りにされたとき、一緒におくるみに包まれていたペンダントを、サエが奪ってしまう。そのため、サエはかまちという、悠久の球を狙う妖怪に、ルナと間違えられてさらわれ、怪我を負う。
必死に助けようとするルナの前に、スネリともっけという不思議な生き物が現れる。彼らは伝説の子の従者として選ばれた妖怪で、彼らはルナの出生の秘密を知るものたちで、わけを話してくれる。
ルナは実は妖狐と人間の男との子供で、両親ともルナの誕生とルナの命を救うために死んでいる。愛されて生まれてきたと知ってルナは力づけられ自ら封印を解く。
そして目ざめた力で、かまちからサエを取り戻す。
かまちは風の刃を生み、自由自在に操る妖怪。ルナは目ざめた力で軽々と刃をよけ、とてつもない力でかまちを圧倒。しかしかまちを殺しはせずに、ルナは超能力で妖界への道を開き、こらしめたかまちを追い返す。
少女戦士の誕生。
そして別れ。
伝説の子の力に目覚めたルナは、星の子学園の友達や先生を危険な目に遭わせたくないとの思いから、学園を抜け出すことを決意し実行する。
ルナの旅が始まる……。
終わり
――――――
感想。親のない子がヒロインだったり、不思議な力に恵まれているとかだったりは、児童ファンタジーの世界ではありふれていた。かつては。
ハリーポッターも、魔天使マテリアルも、約束のネバーランドも、親はなくとも子は育つ。ただし親の与えてくれた力のおかげで……。
親が身近にいないせいで、ますます募る親への思慕。親はありがたいものなんですよ、いなくなったら苦労しますよ、という教訓がこめられていると思う。
しかしこれらは、子供の自立を促すべく生まれたもの。
親からもらったありがたい愛情のせいで、おまえは生きてゆけるの。さあ、お行きなさい――そういう物語。
非常に健康的な思想だと思う。
2024年には、このサイクルはまたくるから、憶えておこう。ただし、WEB小説界ではどうかなぁ~~?
その頃にも死んだら異世界、してるのかな?
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