第6話
私は高熱で余り覚えていない入院だった。
初めての入院生活の隣の子は近所にすんでいる子で幼児だった。隣の子の母親は母が学校との連絡などで来れない日や面会時間後に話相手になってくれる優しい人で面白い人だった。
病気が分からないため検査三昧の日々を送っていた。
たぶん健康ではお目にかからない検査も色々やった。
CT、MRI、血液検査、心電図、血管造影、エコー、覚えているのはそれくらいだ。
血液検査では結局医師が血液を入れる試験管を指の間に挟み込んで採血をして、結果の炎症の数値が四桁で驚いていたのは覚えていた。
入院中、意識が朦朧とするほどの高熱や関節痛が起きていたが病気がわからなかったため、薬は使えなかった。
更に、病院食は口内炎のためミキサーにかけられていた。それでも、小匙で二口位しか食べれなかった。
その小匙も金属製だと痛いので使えず、プラスチック製の小匙を父に買ってきてもらった。
そんな中、親友がお見舞いにきてくれた、でも感染防止のため病棟に、はいれなかったから、会えなかった友人たちはクラスのみんなからの千羽鶴を持ってきてくれていた。
その夜、クラス全員が千羽鶴を作るとは思ってなかったが確認したらクラス全員だった、そして鶴の一つ一つにメッセージが書いてあった。
その頃には心臓付近の病気の疑いで車椅子生活だったのでベッドの上から動けなかった。
そんな中届けでくれたクラス全員が作り、メッセージを込めた千羽鶴、貰った夜は初めて病棟で泣いた。不安や寂しさが嬉しさで押し流されていった。隣の子の母親はそんな私を心配して、暫くそばで寄り添ってくれていた。
その後、私は転院することになった。お別れだと思うと寂しくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます