第4話 途方に暮れて

 エクアドルに越してから三年が経ったある日、私は道に迷った。


 こんな思いは何年ぶりだろうか。

 そんな懐かしさに耽りながらも盛大に焦っていた。

 最初はちょっとした寄り道に過ぎなかったのに、ここはどこだ?


 いりくんだ路地をさ迷い、道なき道を越え、海を越え、時を越え、帰り道を目指す。


 やがて東の空がやんわりと白んできて、一筋の光明を目の当たりにした。

 まるで藁にもすがるような思いで光を目指す。



 やがて帰途についたとき、私はキトに着いていた。

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