第3話 星が欲しい
星が欲しいと言ったから僕は天文学者になった。
この大きな望遠鏡で新しい星を見つけてあげよう。そして君の名前を付けるんだ。
~十年後~
「ついに見つけたんだ。ほら、覗いてごらん」僕は北東の夜空に伸びる望遠鏡の接眼レンズを君に託す。
「そんなことよりさ、このボタンを押してみてよ」
「え……うん」僕は恐る恐る青い星形のマークを押す。
ポチッ……
「ありがとー! もう帰っていいよ」颯爽とした君の笑顔にたじろいだ。
「え、これでいいの?」
しかし君は何も言わない。僕は深く項垂れて望遠鏡を片付ける。そして玄関に立ち君に別れを告げた。
「あっ、ちょっと待って!」唐突に君は叫んだ。
そして僕の顔をまじまじと見て、言った。
「あと2回押せるよ」
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