純情可憐にロックンロール

佐藤敢(Isam Satou)

プロローグ(日常編1)

第1話 はじまり

俺が彼女に初めて会ったのはPPPとかいうペンギンアイドルを復活させるから来てくれってプリンセスに言われて集まった時だった。

正直第一印象としてはめっちゃくっちゃ可愛かった。美人だし仕草も可愛い。

だから話を切り出すのがなかなか難しかった。今を思えば全然ロックじゃなかったな。


「な、なぁ…お前は何のペンギンなんだ?」


それが俺が彼女にかけた最初の言葉。


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私が彼女に初めて会ったのはPPPを復活させるから集まって、とプリンセスさんに言われて集まった時。

初めて見て、まず思ったのがかっこいい。私には無いかっこよさだと一目で分かった。

だからなかなか話しかけにくかった。今を思えばなんで話しかけなかったんだろうってちょっと後悔…。


そんな時彼女から話しかけてきてくれた。私はとっても嬉しかった。


「わ、私は…ジェンツー…ペンギンです」


しどろもどろになりながら答えるので必死だった。嫌な印象を与えてないかな…喋りにくい子だと思われてないかな…と不安だらけになってしまった。


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すぐに返事が帰ってきた。ジェンツーペンギン…聞いたことある名前だった。まぁ動物だった時に顔を合わせてるかもしれないな、と思った。

あと声も可愛かった。俺にはない華があるというか、アイドルってのはこういう声なんだろうなって分かる声。正直俺がいちゃPPPがアイドルとして活動するのは無理なんじゃねぇかって思うぐらいに可愛い、いい声だった。


最初の会話はそれくらい。そのあとプリンセスに名前?愛称?ってのをもらって俺はめでたくイワビーって名をもらった。彼女はジェーンって名前をつけてもらってた。

何でも先代のPPPの名前と同じらしい。名前負けしねぇか?って思ってたけど今じゃ気に入ってる。


「ジェーン?だっけか、これからよろしくな」

二回目の会話。やっぱり切り出しにくい。これもロックじゃねぇ。


「は、はい、よろしくお願いしますね…えーと、イワビーさん」


「あのさ、PPPやるにあたってさ、ジェーンは何かしたいことある?」

「したいこと…ですか?そうですね…まだ始まったばかりですし、特には……」

「そうか…」


変なこと聞いちまった…。そりゃそうだよな、いきなりプリンセスに呼ばれて名前つけられただけなのにやりたいことって…。こんなんでこの先ジェーンと上手くやれんのかよ…。俺のバカ。


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せっかくイワビーさんがお話を振ってくれたのに当たり障りのないこと答えちゃって会話が終わっちゃった…。私何やってるんだろう…。せっかくプリンセスさんがメンバーを集めてアイドルやろうって言ってくれたのに…。イワビーさんに嫌われちゃったかな…。どうしよう……私のバカ…。

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