神様のいない30年

皆中きつね

第1話

 先日、冷めたコーヒーを電子レンジで温めた時に思い出したこと。

 知り合いに、もう定年退職した元マンガ編集者がおりまして、その方が話した某マンガの神様のエピソード。

 昔々、いくつもの締め切りに追われて身動きとれない神様の前で、この悪党編集者は嬉々として大阪万博に行ってきた話をしたそうです。

 で、万博会場に展示されていた電子レンジの話に、神様は興味津々だったらしい。

「火も使わずに数十秒でコップの水がお湯になるんですよ!」と神様の前で偉そうに喋った編集者は、人一倍好奇心が強く人一倍負けず嫌いだった神様から、後日電子レンジの仕組みについて詳しく説明を受けることになったそうな。


 なんでこんな話を書いたかというと、「俺、凄い人と知り合いなんだぜ」と威張りたいわけじゃなく(実際、凄い人というより凄いスケべな人と思ってる)、平成最後の3月に、感慨深くなってるからです。

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