依頼:鋼鉄のひとりぼっち

依頼主:有栖摩武装探偵社経理係 竜舞奏

 ミザネクサの勘違い暗殺者が、今度は私に付きまとおうとしているみたいですね。どうやら、第2エリアにある私が所有するタワーマンションに侵入しているようですが、あそこは「書類上」の住所なので、家具くらいしか置いてないのですが…………でも、不愉快なことには変わりありません。

 仕事で忙しい私の代わりに、害虫退治をお願いします。 

 

勝利条件:

ターゲットの無力化(生死不問)


特殊勝利条件:

ターゲットの身柄を有栖摩武装探偵社に引き渡す


ターゲット情報


【名称】『ガーデン・シオン』

【性別】男性

【出現場所】第2エリア

【手配度】★★★

【武器】日本刀「和泉守兼定」×2

 銘に「兵ノ闘ニ臨ム者ハ皆ナ陣列ノ前ニ在リ」と刻まれた刀。100人斬りできるほどには刀身が強化されてはいるが、ほかのカンパニー製の武器に比べれば、強度はさほどでもない。

 ガーデン・シオンはこの刀を2本持っている(日本刀だけに)


【特殊能力】

一匹狼:自分の周囲に人がいなければいないほど能力が上昇する。半径100m以内に人がいなければ、それこそミザネクサの中でも屈指の戦闘力を誇るようになるが、周囲に人が1人増えるごとに、能力が最大値から半減していく。理論上は強くとも、ほとんど近接戦闘しかできないガーデン・シオンではどう頑張っても最高の実力で戦うことができない。それでも、3人ほど相手ならそれなり以上の戦闘力にはなるものの、10人以上に囲まれるとほとんど無力化する。凄まじい人見知りである。

二刀流:刀を二本逆手に持ち、流れるような剣術で敵を切り裂く。さらに、体を竜巻のように回転させることで、近距離ではあるが、かまいたちのような真空刃を生み出す。敵対者の手などを狙い、手首や指先を「ケジメ」しようとしてくる。

不意打ち:陰に潜んで対象を待ち受け、相手が思ってもみないところから先制攻撃を食らわせる。単純に物陰に潜むだけではなく、時にはマンホールの中や、何の変哲もない民家の扉から出てきたりもする。

Awaikening_Vandal:ガーデン・シオンの耐久力が半分を切ったとき、彼の中の「何か」が目覚め、一度だけ周囲に黒い瘴気の塊を乱射する。これの正体が何なのかは本人ですらわからないらしいが、直撃するとしばらくの間視界が暗闇に閉ざされる。


第二世代:チートを得た異世界人が、手籠めにした女性から生まれた人間。生まれながらにして数々の異能力を持っているとされるほか、身体能力も最初からかなり高いが、往々にして精神力が脆い傾向にある。



【容姿】

 黒一色の学ラン姿に、襤褸きれのような藍色のスカーフを口元に巻いている。このスカーフはかなり長いのか、走ると風になびく。

 瞳の色は金色で、いつもやや不機嫌そうな顔をしている。また、前髪がもっさり伸びているので、平凡な顔なのにどことなく根暗そうに見える。


『ガーデン・シオン』の称号を持つ「円卓の五騎士」の一人にして「漆黒騎士」の異名で知られる少年。本名は紅月 出雲こうげつ いずもと言うようだが、これも偽名の可能性が高い。


 一言で言うなら「重度の中二病患者」。幸か不幸か、彼はその中二病を全開に出来るほどの実力を持って生まれてしまった。現在は第2エリアの裏社会で暗殺業を営んでおり、ミザネクサに持ち込まれた依頼で対象を始末する一介のハンターでもある。

 とにかく仲間とつるむのを嫌い、円卓の五騎士になってからも、滅多に仲間内の集まりに出ない。「仲間に頼るなんて弱者の発想」とは本人の談だが、単純に人見知りが激しいだけであり、時折こそこそと仲間と接触しようとしているのを見ると、意外と寂しがり屋の一面もあるようだ。

 また彼は、無口な一匹狼は女にもてると思い込んでいるらしく、仕事がないときは、一目ぼれした女性の傍にこそこそと近づいて、その場でじっと佇む……だけ。そのくせ執念深いのか、そのまま黙ってストーキングに及び、家に不法侵入をすることもあるという。


台詞候補

「……俺は人間じゃない。人間の皮を被った、殺人機械だ」

「貴様らに笑みなど似合わない」

「俺が力を解放すれば……世界が滅んでしまう……」



・メタ情報

 騎士称号を持っているのに暗殺者という、やや矛盾した存在のターゲット。例によって「第二世代」の一人であり、全国の中二病男子が夢見た漆黒の世界で生きている。見ていてとても痛々しい。

 周りに「誰もいない」間は能力に大幅な補正がかかるのだが、最低でも一対一になる必要があるので、最大の実力の発揮は不可能。それでも、人気のないところで戦闘すれば、円卓の五騎士の中でも一つとびぬけた強さになり、依頼人とも渡り合えるくらいになる。人混みの中ではほとんど無力化するのだが、当然本人もわかっているので、基本的に人のいないところでしか戦わない。うまく包囲しよう。

 

 特殊勝利条件は、彼の身柄を武装探偵社に引き渡すこと。引き渡す相手は誰でもいいが、代表の姫木眞白あたりが妥当か。達成すれば、ガーデン・シオンが装備していた武器か、あるいは同程度の価値の現金をもらえる。

 なお、この依頼は有栖摩武装探偵社が崩壊すると、特殊勝利しても報酬がもらえなくなるものとする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る