冬、君を探す。欠片を眺める。
シグナル
記憶というのは実に曖昧で
なのに強烈に覚えていることがある
でも、そのシーンを誰も覚えていない時
それは現実にはなかったことなのかもしれない
証明できないことの積み重ねの日々
夜に滲んだ信号に似て
ずっとチカチカして気になる
🚥
たとえば酔って歩いた、覚束ない記憶
どこを辿ったのか定かではないけれど
身体だけはどこかに心ごと運んでいく
人によって覚えているシーンが違うのは当たり前で
見た角度だって、聞こえた声だって違うんだ
あの時君は、ふと違う人を見ていたかもしれない
目の前を見ていても、心が彷徨っていたかもしれない
雨で濡れた信号のようにぼんやりとして
だから記憶の共有なんて出来はしないこと
憂いても仕方ない
🚥
朝目覚めた時の
夢と現実の境目が作用する記憶の改変
あの一瞬は、本当のことと変わらずリアルなのに
夢の手触りを、後から現実とすり替えないと言い切れるのか
点灯したまま壊れていくシグナルを抱えて生きていく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます