夏森キノコ



涼しい風が吹くからここに避難したんだ、ぼく。

君の椅子になるためじゃないんだよ。


呑気にアイス食べてるとか、勘弁してよ、もう。

足ばたばたすると、くすぐったい! やだ、もぉーーー。





夕立がやってきて、滝の修行みたいに

雨に打たれるスケジュールだったのに


君が大きな葉っぱを傘にして座ってるから

ぼくは、何故だか守られたみたいになってしまって。


でも、お礼なんか言わないからね!





ああ、君。いくらちっちゃいからって横になるのはやめて。

ぼくは君のベッドじゃないよ。


他の奴に取られないようにって、名前書くのもだめだよー。


一緒に空にかかった虹を見るのは、悪くないけどね。



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