紫陽花の行く先


枯れている花にも、命がある。

存在感という欠片が残っている。



美しい花も茎も、いつしか皆、枯れ逝く。

最後に辿り着くのは、みな平等に底であるのなら。



その耽美は、輝いている者に注がれる視線ではなく

朽ちていく者への愛で、満ち溢れている。



さみしさや苦しみさえも身に纏って

いつしか行く道に、真っ直ぐ立ち向かうかのように。

そのフォルムに敬意を抱いて。



私は文章でそんなことを書ければと、ふと想う。

最後まで貫く視線に自分も乗るのだという、想像力を持ちたい。



記憶の中では、漂白された花よ。

それには老いも若きもなく、自分も行く道なのだと。


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