- - - 8× キリトリ - - -

水菜月

春、君を想う。欠片を落とす。

春の種を落とす。


はらはら、ちるちる。



桜の木の下で、一人佇み、あなたを想う。



この桜並木を、あなたと腕を組んで歩けたら。

そんな儚い望みが叶ってしまった、あの日の私を想う。



桜にはあらゆる色の感情があって、圧倒的なんだ。



艶やかで、華やかな反面

地面に吸い込まれそうな、磁場のようなチカラが存在する。



やわらかく包んでくれるとの気の迷いに

危うく水面に叩かれ、共にただ黙って流されていく。



やさしそうでいて、強く、抗えない。

いつだってそうだった。






🌸 桜を見ると、今でも

     あなたと、あの時の私を

        思い浮かべてしまいます。





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