第2章 7話

背丈の高い草むらをかき分け、木々の下を潜りながら進む。体力を温存しつつ、辺りを警戒しながら少しずつ距離を縮めていった。


第一ポイントまで、あと数百メートル。

H&K G3 のアサルトライフルを手にとり、静かに

身を潜める。

行動して数時間になるが、少し奇妙な気配を感じる。


... いるのか?


まさか、ここまで進軍が進んでいるとは予想していなかった。すぐに少し離れたロイに指示を出し、迎撃に備える。


「... ッ」

「「っ!!」」

壮快な発砲音と共に姿を現す敵を目視し、すぐに体制を整える。標的はロイ。従って、私が後ろから殲滅する計画に移った。ここまでは計画通りである。

敵は一体、いや二体か。ならばロイで二体とも炙り出す必要があるだろう。二体目の場所は特定できない。二体がロイに集中したところで私が

「... テキハッケン。センメツスル―」

「っ... 」

二回の発砲音が辺りに鳴り響き、呻き声が耳に入ってくる。一体に集中していたところをもう一体にやられたのだ。...目の前で銃を構えた良き友人は、その場から崩れ落ちた。

「っ!... くそったれ!」仕方あるまい。

立ち上がり、相手が此方を向くまでに銃口を一人に会わせ、引き金を引く。

四発撃って、すべて命中。

赤黒いなにかを排出したそれは、鉄と鉄が擦れあって響く音を出しながら崩れた。

そして、もう一体にも銃口を...



「センメツスル」

しまっ...




「っ、このやろう!」

敵の頭に、弾丸が真横から直撃し、貫通する。

「... ロイ」

弾丸が発射した方に目を向けると、左肩を押さえながら、此方に銃口を向けるロイの姿があった

押さえる手から、赤い何かが滲み出ている。したたるそれは、彼の服を染めていた。

「... 俺、以外と役に立つもんじゃない?」

こんな戦場のなかで、彼は私に微笑みかける

口角をあげようと必死だが、痛みで上げることが難しそうで、それを察することが尚更辛い。

「馬鹿野郎... !私に心配かける時点で役にたってないよ...! 」

草の茂みで、溜め息を吐きながらも応急手当を済ます。ユージラに教えてもらったことが役に立った。

... ここでロイを帰らせる訳にもいかない。



まだ、果たすべき指令が残っている。



私達は、体勢を整えるとすぐさま、司令塔へと駆け出した。

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